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10月25日 「対テロ戦争」の中の子どもたち
パレスチナで起きていることとイラクを子どもの権利の視点から考える

子どもたちの未来を奪う劣化ウラン

 あらゆる権利が踏みにじられる紛争の中で、つねにもっとも犠牲になるのは子どもたちです。ますます混迷深まるイラクにおいてもパレスチナにおいても例外ではなく、むしろ「新しい戦争」が、これまでとは違った被害を子どもたちにもたらしています。
 「新しい戦争」には2つの要素があります。一つは劣化ウラン弾などの新しい兵器がもたらす新たな戦禍で、もう一つは瞬時に世界中を駆け巡る情報です。そしてそれらは、「テロとの戦い」という前提のもとに、子どもの権利のすべてを悉く退けます。
 劣化ウラン弾による放射能被害は、発達途上の子どもたちほど大きなダメージを与えることは、かつての湾岸戦争以降のイラクの現実が証明しています。今回の戦争ではそのときとは比べようもない大量の劣化ウラン(及び非劣化ウラン)が使用されています。劣化ウランの被害については、一般マスコミでの扱いはあまりにも少ないのですが、書籍やインターネットで、質の高い具体的な情報を得ることができますので、ぜひ当たって下さい。
 またクラスター爆弾も、子どもたちにとって新たな脅威です。親爆弾が地表近くで爆発してたくさんの子爆弾が周囲に散らばり、その先で爆発するというものです。爆薬と様々な形の弾が仕掛けられた不発の子爆弾が、散った先で地雷化します。中には子どものおもちゃを模した形で、それをいじったら爆発するというものもあり、まさに子どもが危険にさらされる兵器なのです。

制裁の闇がもたらす人権侵害

 このような非人道的な兵器が子どもを含めた民間人に対し使用されるのは、一方的な情報が人々のイメージを誘導し、不安と憎悪をふりまき、差別を蔓延させているためだと考えます。そしてイラクにもパレスチナにも共通したことは、その社会が物理的にも精神的にも周囲と分断されたということです。
 イラクでは前の湾岸戦争中よりも、その後の経済制裁が何十倍もの人々を死に至らしめました。そこでも医薬品や食料の欠乏で、よりダメージを受けたのは、社会的にも肉体的にも弱者である子どもや病人たちです。この結果は容易に予想され、専門家も事前に指摘していましたが、当時あれほど派兵反対などで騒然とした日本でも、ほとんど議論もなく、戦争よりも平和的な方法であるとして疑わない人々から反対の動きも少なく、経済制裁に乗っかりました。占領政策に抗議しイスラエル製品の輸入を制限する「アラブ・ボイコット」やかつての南アフリカに対するもののように、政権に影響力を持つ企業や産業界に圧力をかけ、非人道的な政策を転換させる経済制裁と、兵糧攻めにして孤立させる経済制裁の違いを見なくてはなりません。
 パレスチナも、不当な軍事占領を国際社会が事実上容認することで孤立させられ、物資や社会サービスの欠乏は、子どもたちから命と未来を奪っていきます。メディアが大きく伝える「テロ」よりも、イスラエル軍の報復攻撃が何倍もの犠牲を出しますが、それ以上に命と人権を破壊し続ける日常(構造)は伝わりません。

「自爆」に走る子どもたち

 抑圧と孤立で絶望の縁に立たされた人々に対し、支配する側が仕掛けます。2000年9月、イスラエルの右翼政党リクードのシャロン党首は、兵士を率いてイスラム教の聖地に侵入し、過激派のテロを誘発し、そこから始まった「暴力の連鎖」で憎悪が憎悪を生み、パレスチナでは過激派が台頭し、タカ派のシャロンは首相の座につきました。
 日本でも同じですが、不安にかられた被害者意識が、権力による人権侵害を容認します。「テロ対策」を理由に、パレスチナ人の家や工場や農地は破壊され、土地は取り上げられ、コミュニティは分断され、移動の自由は奪われ、生きることを否定されます。
 学校の月謝が払えなくなった子どもは、無料の宗教学校に通うようになり、全体からすれば決して多くはない過激派が勢力を持っていたりすると、戦士としての教育を受けることになります。
 私たちは以前から、子どもたちの絵や作文などを通して、将来の夢や目標などを聞いてきました。オスロ合意前の第1次インティファーダのころ、「戦士になって家族を守りたい」と言ったあまりにも幼い子どもの言葉を今でも忘れることはできませんが、94年の和平合意後のひと時、多くの子どもたちが明るい夢を語り、子どもの柔軟性と可能性に希望を持った時期もありました。
 しかし、滅多にないこととは言え、子どもが本当に「自爆テロ」に関わるようになったのは、ごくごく最近のことです。私たちは「何故」そうなったのかを真剣に考える必要があります。宗教や民族性にその原因を求めるとしたら、それは大きな間違いであるだけでなく、無視や誤解、あるいは差別や偏見をもって彼らへの人権侵害を容認し、無言の圧力を加えてきた国際社会の一員としての責任を誤魔化すことです。

対テロ戦争の本当の対立軸

 2001年9月11日に起きたニューヨークの“テロ”の後、ブッシュ大統領は世界の人々に対して「正義につくのか、テロリストにつくのか」と問いました。シャロンは「テロ対策」を大義名分にやりたい放題。日本でもそれに加え北朝鮮への不安と憎悪が後押しして、戦争への様々な法改正が行われてきました。
 しかし、この構造を考えるとき、パレスチナ問題を通してイスラエルという国を見てきた私には全く違う対立軸が見えます。
 イスラエルにも平和的な解決を真剣にめざす人々がいます。イスラエル領内に住むアラブ人とも協力して、共存のために努力が重ねられています。その一方、力で抹殺すべきと確信する勢力があります。宗教的あるいは政治権力、経済権益を背景にした理由にしろ、ユダヤ人の多くを含め、少なくとも現代世界の常識の基盤に立つ人々にとっては特殊な立場の人々です。パレスチナにも同様の2極があります。
 極右と極左という意味ではなく、平和的・民主的な社会を求める側と、何が何でも戦争で決めようという両極があります。多くの人々はその中間にいるわけです。その時、軍事・経済・情報いずれも圧倒的優位な立場にある支配する側の国では、話し合いや真っ当な裁判などせずに力で解決したい権力に「お前はどちらにつくのか?」と迫られるのです。
 イスラエルでは平和主義者は「サヨク」と名指されます。パレスチナ人がなぜ抵抗するのかを考えないで、テロリストの側とみなされたくない人々は、「力」の側に絡め取られていきます。日本も同じということは、イラクの人質事件でも痛感しました。
 ごく一部が起こすテロを利用して憎悪と偏見を煽ることで、軍事政権は支持を得ます。それによって行われる弾圧が、される側の社会で好戦派を育てます。
 ニワトリかタマゴかということではなく、明らかに支配する側にイニシアティブがあります。しかしその議論以上に重要なのは、テロと正義の戦いではなく、イスラエルとパレスチナ、アメリカとイラクの対立でもなく、対立軸は戦争と平和の間にあるということです。それは私たちみんなの社会の中にあるものです。敢えて言えば、シャロン政権とイスラム過激派、ブッシュ政権とアルカイダの利害は一致しています。彼らの共通の敵は「平和」です。
 平和を求め人権を尊重する21世紀の人々は、この構造を見極めなくてはなりません。占領者の暴挙を許すことで、子どもたちの教育や医療へのアクセスを奪い、親から引き離し、肉体的にも精神的にも回復困難なダメージを与え続けていきます。
 今後どのような解決の方向をめざすにしろ、分断され疲弊した社会では、勢力争いなどが深刻化するかもしれません。それは単なる内政問題ではなく、ここまでに至ったことに対する国際社会の責任を踏まえ、子どもの権利条約をはじめとした理念とビジョンを実現するために、サポートをしていく必要があります。そもそもパレスチナ問題自体が、住民の意思を聞くことなく、国連の場で勝手に分割され、一方的にイスラエルが建国されたという「根本的原因」が想起されます。
 私たちは自らを含めた世界の構造への視点を持ち、様々なつながりから得られる事実に基づき、冷静に、戦争のメカニズムを解明することで、暴力を排し人間として生きる道が開けるように、未来を変えていくことができるはずです。



9月20日 対テロ戦争の正体−−本当の対立軸は何か
 2001年9月11日に起きたニューヨークの“テロ”の後、アメリカのブッシュ大統領は世界の人々に対して「正義につくのか、テロリストにつくのか」と問いました。そして世界の人々を脅かすテロリストと戦うリーダーとして、国際テロ組織の元締めアルカイダと大量破壊兵器を隠匿するサダム・フセインを掃討するという名目で、アフガニスタンとイラクを攻撃し、多くの犠牲を出しました。その間もイスラエルのシャロン首相は「テロ対策」を大義名分に、パレスチナへの攻撃や人権侵害はやりたい放題。日本でも、北朝鮮への不安と憎悪が後押しして、戦争へ向かう様々な法改正が行われてきました。テロリストという、実はよく見えない敵を理由に人々の不安を掻き立て、アラブとかイスラムとか外国人といった、全くイコールではない人々の集団に対する憎悪と偏見を植え込み、彼らに攻撃や迫害を加えることで、新たな対立を作りだしています。
 しかし、この構造を考えるとき、パレスチナ問題を通してイスラエルという国を見てきた私には全く違う対立軸が見えます。
 イスラエルにも平和的な解決を真剣にめざす人々がたくさんいます。イスラエル領内に住むアラブ人とも協力して、共存のために努力が重ねられています。その一方、力で抹殺すべきと確信する勢力があります。宗教的な狂信者もいれば、政治的覇権や経済権益を力づくで奪おうとする者もいますが、少なくとも現代世界の常識的な人々にとっては特殊な立場の人々です。パレスチナの側にも同様の二極があります。
 極右と極左というイデオロギーでもなければ、宗教や民族主義の対極でもありません。強い意志を持って平和的・民主的な社会を求める人々と、何が何でも戦争で決めようという両極があります。多くの人々はその中間にいるわけです。もちろん平和にこしたことはないけど、やられてしまっては元も子もないと迷いつつ、状況を見ている人々です。
 その時、軍事・経済・情報いずれも圧倒的優位な立場にある支配する側の国では、話し合いや真っ当な裁判などせずに力で解決したい権力に「お前はどちらにつくのか?」と迫られるのです。
 イスラエルでは平和主義者は「サヨク」と名指されます。パレスチナ人がなぜ抵抗するのかを考えないで、テロリストの側とみなされたくない人々は、「力」の側に絡め取られていきます。日本も同じということは、イラクの人質事件でも痛感しました。
 ごく一部が起こすテロを利用して憎悪と偏見を煽ることで、軍事政権は支持を得ます。それによって行われる弾圧が、される側の社会で好戦派を育てます。
 この構図では、ニワトリかタマゴかということではなく、明らかに支配する側にイニシアティブがあります。しかしその議論以上に重要なのは、テロと正義の戦いではなく、イスラエルとパレスチナ、アメリカとイラクの対立でもなく、対立軸は戦争と平和の間にあるということです。それは私たちみんなの社会の中にあるものです。敢えて言えば、シャロン政権とイスラム過激派、ブッシュ政権とアルカイダの利害は一致しています。彼らの共通の敵は「平和」です。
 私たちの日本は、アメリカの同盟国として一蓮托生の状況で、今更ノーと言ってもしかたがないと諦めている人も多いようです。しかし、世界の大きな構図の中で見ると、このさしあたって強大な力の側で富を巻き上げているのは地球の人口の何十分の一に過ぎません。このまま行くと、その格差はますます大きくなり、抑圧され搾取され、絶望の縁に追い込まれた人々が命を懸けた抵抗に対峙せざるを得ないことになるでしょう。「対テロ戦争」は、アメリカやイスラエルのみならず、中国やインドネシアをはじめ多くの政府が抵抗勢力を抑圧する便利な道具として使われています。それが真の解決にならず、先日ロシアで起きた事件のように、より大きな悲劇を呼ぶことは明らかです。
 そのためには漠然とした不安の中で流されるのではなく、本当の現実を直視し、そのメカニズムを冷静に解明し、21世紀の人間にふさわしい生き方を選択していかなければなりません。私たちは自らを含めた世界の構造への視点を持ち、様々なつながりから得られる事実に基づき、冷静に、戦争のメカニズムを解明することで、暴力を排し人間として生きる道が開けるように、未来を変えていくことができるはずです。
 私たちは、強大な力の下にぶら下がって戦争を拡大していくのではなく、アメリカやイスラエルやイラクやパレスチナの平和的な運動と連帯して、多くの人々を平和の側に呼び込んでいかなくてはなりません。それらをつなぎ合わせるNGOの活動をしてきた者として、これは決して不可能ではないことを確信しています。

6月16日 “世界を変える”ための3つのご紹介
 「仏教の教えを一言で言うと?」と問われたとき、私は“未来は変えられる”ということと答えます。仏教の中心思想は「縁起」です。キリスト教やイスラム教との決定的な違いとして、天地を創造し、命を与え、運命を支配する唯一絶対神の存在を否定し、あらゆる存在や事象は相互に結びついて成り立っているとします。時間軸としては原因と結果の積み重ねとしての無量寿(アミターユス)。先祖教として矮小化されがちですが、たとえば20代遡っただけでも200万もの先祖が存在することからもイメージできます。また空間軸として相対的な条件としての無量光(アミターパ)。今一瞬の命を生かす、自然界や社会システムなどのはたらきです。これらの“私”を起点とした無限、不可思議な結びつきとの関係性を自覚し、世界の成り立ちといのちの正体を悟り、真実と一体化するブッダ(=仏)となることが、人間の究極の目標であると説きます。
 しかしながら「感謝」を押し付け、「過去の因縁」と現状を甘受させ差別や不当な権力を固定化させてきた歴史があります。また、脅しや圧力で供養を強要し金儲けの道具としている仏教者が少なくないのも事実です。本来、「今」と「此処」を形成してきたものに関しては、いかに正しく合理的に見極めるかということが肝要であり、それを隠蔽し粉飾したり、現状を正当化するために捻じ曲げるのは「反釈尊的」です。
 そのような自戒の念とともに、真の感謝、「気づき」の上に築かれる、責任と可能性に目覚めた前向きな生き方こそが釈尊の真意だとの思いをこめ、仏教とは“未来は変えられる”という教えだと、私は答えています。

 さて、今日は2冊の本と、参議院議員選挙に挑戦する友人のご紹介です。
■1■ 月刊『子ども論』7月号 巻頭座談会“NGOが世界を変えるんだ!!”
■2■ 『世界は変えられる――TUPが伝えるイラク戦争の「真実」と「非戦」』
■3■ 小林イチロウと明るい未来計画

 前述した“未来は変えられる”と同じ意味で“世界は変えられる”ものです。そして変えるのは“私”に他なりません。もちろんそう言っているだけでは変わりません。では具体的になにをすべきなのか?

■1■ 月刊『子ども論』7月号 巻頭座談会“NGOが世界を変えるんだ!!”
 「政府・マスコミがバッシングするNGOって何?」という副題で「国境なき子どもたち」のフランス人創設者ドミニク氏、「劣化ウラン廃絶キャンペーン」の伊藤和子さん、「人質」の弁護士・猿田佐世さんらとの座談会でした。
 イラク人質事件の報道やそれにより捻じ曲げられた世論によって、日本のNGO・ボランティアのイメージは大きく傷つけられました。このことは自分自身で考え、現場に飛び込んで、社会のために何かをしようという道を閉ざし、自分で考え行動しようとする子ども達の意志に大きなダメージを与えました。一般メディアの「無責任」な「自己責任論」に対し、現場と現実に立脚した意義について有意義な話し合いができました。また、私自身はNGO潰しの「仕掛け」についても自論を述べています。子どもや教育に関するデータ・マガジンでちょっと値ははりますが、書店や図書館ででもご覧いただければ幸です。
(クレヨンハウス刊、税込2500円)

■2■ 『世界は変えられる――TUPが伝えるイラク戦争の「真実」と「非戦」』
 今の世の中を悪くしている最大の要因は、人々が事実・真実から遠ざけられているということです。イメージを掴む以上に深く読んだり考えたりしない人々に対して、商業メディアはすでに大政翼賛化し権力の道具として機能しています。
 それに対し、フリージャーナリストや独立度の高いメディアは、様々な事象を掘り下げ、小さくとも本質的な問題を明かし、価値ある情報を伝えています。
 現場のNGOの発信するものも含め、日本の多くの人々には伝わりにくい英語あるいは他の言語による情報を、ボランタリーに翻訳し配信しているのが「TUP」で、私もこれまで何度かご紹介してきました。
 このたびその中から抜粋して単行本が出版されました。これまでマスコミや政治家の言うことを鵜呑みにしてきた人々にとっては、にわかに信じがたいことかもしれませんし、そんな世界に生きていることは信じたくないかもしれません。しかし、人間としての良心と思考力のある方(あえてイヤミな言い方失礼!)はぜひご一読いただきたい。詳細についてはこのメールの最後に、星川淳さんのメールニュースからの抜粋を転載しました。
(七つ森書館刊、1800円+税)

■3■ 小林イチロウと明るい未来計画
 「非戦」グループの仲間、小林一朗君が「みどりの会議」から参院選に出馬します。イチロウ君は9・11後、ピース・パレードを呼びかけ新しい世代の平和運動を創出してきたリーダーとして知られています。もともと企業で技術者として働き、現在はサイエンスライターとして活躍する彼は、非常な勉強家でであるとともに実践者でもあり、科学的・合理的根拠にもとづいたビジョンと戦略を具体化することのできるものと期待します。
 じつは1年以上前から、党利党略の政治的駆け引きが優先する既成の政党ではなく、真の市民社会の上に明確なビジョンを打ち出すことのできる自分達の候補を擁立したいというイチロウ君を中心とした若者達が、夜を徹して議論する勉強会やワークショップの場として寿光院や小松川市民ファームも何度か会場として使ってもらいました。私がこれまで仲間や友人たちの政治や選挙に関わってきたなかで、このような若者中心のグループは今までにありませんできたが、熱いだけではなく、視野の広さにおいても、特定テーマへの掘り下げの深さにおいても最も希望を託すことのできる集まりです。
 詳しくは以下のサイトをぜひご覧いただきたくご紹介いたします。
 http://www.1ro711.org/


       ▽▼▽▼▽ 以 下 転 載 ▽▼▽▼▽

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
      TUP初アンソロジー『世界は変えられる』発刊!!
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★出ました〜!!
 まずは、長編をバリバリ訳すTUPの主力級・井上利男さんが、自分のメール案内に添えた挨拶を引用します。その下がTUP速報購読者に流した案内文です。ちなみに、レベッカ・ソルニットはTUPが“発見”し、本邦初紹介している書き手の一人(もくじ参照)。井上さんはソルニット選集の翻訳も進めています。

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 昨年3月のブッシュ・ブレア米英連合軍によるイラク侵略戦争強行を機縁に発足したネット市民グループ「TUP=平和をめざす翻訳者たち」の1年間の成果を選りすぐって、一冊の書物に結実しました。平和を希求する世界の人びとの息吹が伝わる一冊になっていると自負しています。
 6月6日ごろから書店に並ぶそうです。ご購入になるなり、図書館にリクエストなさるなり、お手にとっていただくように切にお願いします。

「発言したことがなく、街頭デモをしたことも、平和グループに加わったことも、政治家に手紙を書いたことも、運動にカンパしたこともなかった多数の人びとが、行動を始めました。数え切れない人びとがかつてなく政治に目覚めたのです。つまり、情熱の巨大な地下水脈が満ちて、変化の大河に溢れ出ようとしているのです。新しいネットワークと共同体とウェブサイトとメールリストと収監者連帯グループと連合が台頭し、今でもわたしたちと共にあるのです」
              ――レベッカ・ソルニット『暗闇のなかの希望』
                Hope in the Dark, Nation Books, May 2004
井上 利男 aka Damari
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  ▼▼▼▼▼▼▼ 引用はじめ ▼▼▼▼▼▼▼

■TUP初アンソロジー『世界は変えられる』発刊!!
 2003年3月に結成以来、300を超えるTUP速報のなかから選りすぐった単行本化第1弾が完成しました。メール配信時よりさらにグレードアップ。ネットを使わない人たちにもお薦めください。

■『世界は変えられる――TUPが伝えるイラク戦争の「真実」と「非戦」』
An Anthology for Posterity[未来の子どもたちに伝えるアンソロジー]

■ 監修=TUP:Translators United for Peace《平和をめざす翻訳者たち》

■ 発行=七つ森書館  定価=1890円(税込)
     HP> http://www.pen.co.jp/
   表紙> http://pen.co.jp/syoseki/syakai/0480.html
   注文> http://www.pen.co.jp/pages/order.html

【帯より】
疑ってはいけない。思慮深く、献身的な市民たちのグループが世界を変えられるということを。かつて世界を変えたものは、実際それしかなかったのだから。
                ――マーガレット・ミード(米国人類学者)

【もくじ】

第1章 イラク戦争
――戦前
・ 平和のモカシン〜イロコイ女性長老のアピール〜 カンティネタ・ホーン
・ 世代を超えて続く、イラクの劣化ウラン被害 ダグ・ロッキー
 *ブッシュ、ラムズフェルド、ブレア、ストローは聖誕教会立ち入り禁止
――戦中
 *ある父親の死 スヘア・ミケル
・ イラク人戦没者の扱いにアメリカの不名誉を見る ジャック・マイルス
・ ドイツ人考古学者からのバグダッド便り ヴァルター・ゾンマーフェルト
――戦後
・ ベテランCIA高官が暴く大量破壊兵器疑惑の真相 W・R・ピット
  〜9・11からイラク侵攻まで レイ・マクガバン・インタビュー〜
・ 路上にて デイヴィッド・ヒルファイカー
  〜元通訳マジン・ジャマー、無名の男の死を語る〜
・ イラク女性は国際女性デーを祝えるか メディア・ベンジャミン
・ 石油のために死ぬのはイヤだ ジェイ・シャフト
・ 兵士たちよ、人間らしさを手放すな スタン・ゴフ
・ 日本女性こそイラクの女性支援の適役だ 菅原 秀
  〜ベアテ・シロタさんからのメッセージ〜

第2章 アメリカという問題
・ 父と子のQ&A アナーチー・バンカー
  〜アメリカの外交政策とイラク侵略をめぐって〜
・ マイアミ市街戦のタンク・ガール レベッカ・ソルニット
  〜米州自由貿易圏マイアミ会合レポート「未来の断片」〜
・ ダボスに現れた“裸の王様” オーヴィル・シェル
・ 企業支配拡大に戦争という口実 ヴァンダナ・シヴァ
  〜世界最大企業ベクテル〜
・ 帝国の野望 デイヴィッド・バーサミアン
  〜ノーム・チョムスキー・インタビュー〜

第3章 過去と未来に視野を広げて
・ 満州とイラクの関係 ジョン・W・ダワー
・ もう一つの9・11事件 アリエル・ドルフマン
・ 地球を覆う米軍基地戦略 チャルマーズ・ジョンソン

第4章 希望の種
・ クリスマス休戦 デイヴィッド・G・ストラットマン
 *『塹壕のクリスマス』 ジョン・マカッチョン
・ 世界は変えられる 〜英国奴隷解放史〜 アダム・ホークシルド

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【まえがき】

 2003年3月、国連安全保障理事会の最終承認を得ないまま、米英主導のイラク攻撃がはじまろうとしていました。国連中心を唱えていたはずの日本政府も、国際紛争の平和的解決を誓った憲法はもちろん、第一条に武力行使の抑制と国連重視を明記した日米安保条約さえ踏み越えて、開戦支持の構えです。にもかかわらず日本のマスコミ報道は、9・11事件の余波でブッシュ政権に逆らえない米国大手メディアの受け売りが多く、事態を深く幅広い視野から見つめるための充分な材料を提供できているとは思えませんでした。

 しかし、同じ英語圏でも英国メディアや各国の独立系サイトには、もっと多面多層的な情報が溢れていて、この戦争の必要性も正当性も疑わしいばかりか、世界をいっそう不安定化させかねないことが読み取れました。これは9・11以来、ずっと続いてきた情報と真実の大きな亀裂(ギャップ)です。もちろん英語圏の外に出れば、アメリカ政府べったりの世界観はさらに孤立しているでしょう。日本と日本人が21世紀をより良く生きていくには、亀裂の片側の偏った情報に頼るだけでは危なすぎる――そんな危機感から、インターネットで呼びかけ合った10人足らずの有志が、TUP(Translators United for Peace=平和をめざす翻訳者たち)を発足させました。

 国内外に散らばる初対面(Eメール上)のメンバーが、まず作業用と配信用のメーリングリストを開設し、これはと思う海外記事や論考を翻訳して、「TUP速報」という形で無料配信を開始。それから1年あまり、手探りで300本近い速報を送り出し、巨大なネット空間の一画に、ささやかながら信頼される独立メディアの足がかりをつくることができました。本書は、その中から評価の高かった内容を厳選して、インターネットを使わない人たちにも読んでいただけるよう編んだアンソロジーで、今後シリーズ化の予定です。

 TUPは2004年5月現在、翻訳作業用のメーリングリスト参加者が40人ほど、「TUP速報」の登録購読者は1600人を少し越えたところです。メンバーの翻訳能力はプロ級から初心者まで千差万別ですし、翻訳はせずに記事の紹介や資料整理の形で参加する人もいます。また、本書に何篇か含まれているように、都合で退会した人、メンバーではないけれどゲストとして訳文を寄せてくれる人もいます。

 一貫して心がけているのは、イラクだけでなく地球全体から戦争をなくすために、深く実践的な思索の材料を提供すること。いっぽう、あまり過激な陰謀説の類には飛びつきませんが、現代の国際情勢を理解するには相当踏み込んだ見方も必要なので、ときには異端的な分析を取り上げることもあります。アマチュアで無償のボランティアですから、内容の検証や訳文の質にはおのずと限界があるのも確かです。しかし、インターネットは惑星大の頭脳といわれるように、日々戦争と平和の問題を考え続ける人びとが発表したものを、日々読み続ける目の肥えた人びとが取捨選択して残る論説は、ときに一国の政治家や評論家をはるかに超えた精度と先見性を持ちえます。TUPはそうした地球市民の協働効果(シナジー)を活用して、知ることが希望と力になるような事実を掘り出したいと願っています。本書やTUP速報のバックナンバーから成否を判断してください。

 その意味で、マスコミはTUPの敵ではなくライバルです。TUPが健闘することで、本職のジャーナリストたちがもっと発奮し、行政・司法・立法の三権をチェックする第四権力としての自覚を強めてほしいと思います。さもなければ、TUPをはじめ台頭しつつある独立系メディアが、さらに成長して民主社会を下支えすることが必要でしょう。

星川 淳(作家・翻訳家)

5月20日 ほんとうの知恵、ほんとうの希望

 久々のメールニュースをお送りいたします。
 拙寺に関わる檀信徒をはじめとした人々の中にも、寂しい亡くなり方をする人や、不景気や家族の問題に苦しむ方も多く、それに対し一般的に周囲の人々の、自分自身の生活苦を訴えながら他人のことには「自己責任」として切り捨てる発言に、救いようのない無力感を感じてしまいます。
 世界情勢から巷の出来事、ムードに至るまで、この荒んだ状況は、だれの中にもある「差別する心」を権力が巧みに操っているからだと私は感じています。その弱さ醜さを認めた上で、自立した良心が発揮されるよう、人々をエンカレッジし、社会をエンパワーする体制…ビジョンと戦略…を市民の側からつくり上げていくことが必要だと思います。
 『寿光院ニュース』に、『雑法蔵経』の山火事と小鳥の話を書きました。法話などでもよく紹介する話なのですが、挫けそうになるとき、いつも思い出す話です。HPにUPしましたのでよろしかったらご覧下さい。
「ほんとうの知恵、ほんとうの希望」http://www.juko-in.or.jp/jihou04.htm#tn0405kotori

 さて、イラクも混沌としておりますが、その陰でパレスチナも未曾有の攻撃に晒されています。米軍の所業が伝えられる毎に、イスラエルがパレスチナに対してやってきた(いる)ことと全く同じだと感じつつ、予想通りのことが次に起こっていくニュースに、私ですら精神的にかなり打ちのめされます。先日は、私たちが運営支援するガザのアトファルナろう学校の生徒の父親が犠牲になりました。タクシー運転手の彼は、病人を運ぶ途中だったといいます。
 現地からは、これまで以上に悲痛なSOSが発せられており、私たちとしても緊急救援の準備を始めていますが、とりあえず今すぐできることとしてパレスチナ子どものキャンペーンから以下の呼びかけを致します。

■パレスチナ子どものキャンペーンから、
 ラファの状況についてのお知らせと提案です。


 ガザ南端のラファでのイスラエル軍の蛮行はとどまることを知りません。
 エジプトとの国境に沿う道路を拡張するという理由で、イスラエル軍は先週から、イスラエルの裁判所が、軍事目的での家屋破壊を容認し、これまでにもないほどの軍事侵攻「虹の作戦」(!)を続けています。
 ちょうど2年前のジェニン難民キャンプへの侵攻を想起させるものですが、この結果、数百件の民家が破壊され、少なくとも36人のパレスチナ人が犠牲になっています。そのなかには、屋根の上に居る所を発砲され、助けを求めていた16歳と14歳の姉と弟が、イスラエル兵の発砲が続いて誰も助けに行けないまま亡くなるという事件も有りました。
 昨日は、軍事封鎖地区にされ、救急車も近づけないエルスルタン地区に向かっていた非武装のデモ隊(参加者の数については数百人から1000人といわれる)に対してイスラエル軍のヘリコプターがミサイル2発を発射し、また地上の戦車も発砲したために、9歳から14歳の子どもを含む少なくとも10人が犠牲になっています。

 昨晩、国連安全保障理事会は、イスラエル軍の民間人殺害と家屋破壊を非難し、自制を求める決議を、14対0(米国は決議に加わらず)で採択したのに対し、イスラエルの国連大使は「イスラエルはこの決議に縛られない」と言い放ち、イスラエル軍は軍事行動を継続する模様で、さらに犠牲が出ることが心配されています。

★参考:
現地の様子を伝える写真のWEBサイトをこのメールの最後に紹介しています

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★緊急の行動の提案★
■1■ 黒いリボンをつけよう!
■2■ ブッシュ大統領とシャロン首相に抗議のファックスやメールを出す
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■1■ 戦争犯罪への抗議と犠牲者をいたんで黒いリボンをつけましょう

 ラファだけでなく、イラクや世界中で起きていることへの私たちの気持ちです。ファックスやメールは1回で終わってしまいますが、こうした不幸な状況が続く限り、黒いリボンを腕や胸でも、カバンでも帽子でもつけ続けることは、自分自身の意思表示でもあります。
 そして、あなたの周りの人にもお話したり、お願いできることでもあります。今すぐに始めることが出来ます。

 アメリカのサイトを見ていて、同じことを考えている人がいるのだと気づきましたが、イスラエルの兵役拒否者たちも「不正義が続いている時には黒い旗を掲げ」ますし、占領に反対している黒衣の女性たちの活動は、すでに10年以上になります。

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■2■ 抗議文面(案)カットアンドペーストして適当にお使いください

▼米国大統領宛て
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To President George W.Bush,

There is an emmergency situation in the Gaza Strip right now.
The United Nations Security Council on May 19th calls on Israel to respect the international humanitarian law and ont to destroy homes.

Please demand that Prome Minister Sharon halt the death and destruction wrought there by the Israeli army.

Date:
Name:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ホワイトハウスの Tel (202) 456-2461; Fax (202) 456-2461.
米国の国番号は1です(KDDを使う場合:0101-202-     )


▼イスラエル首相宛て
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
To Prime Minister Ariel Shron

There is an emmergency situation in the gaza Strip right now.
The act of the Israeli defence Force is in the process of commiting major war crime with total impunity.
I storongly demand you to halt immediately the death and destruction wrought there by the IDF.

Date:
Name:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
イスラエル首相のFax:(2 )670-5361 イスラエルの国番号は972
メールアドレス:rohm@pmo.gov.il
イスラエル大使館(東京)のFAX:03-

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■参考:百聞は一見にしかず  写真サイトで見るラファの惨状:
(犠牲者の生々しい写真もありますので、全ての方にはお奨めしません)

▼ロイターの写真(yahooの英語サイトからラファ)
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/nm/mideast_dc

▼パレスチナ人権センター(昨年来日したラジ・スラーニさんが代表)
▽(ラファ)
http://www.pchrgaza.org/images/2004/rafah_05/rafah.htm
▽(ザイトーン、ガザ市内・先週ひどい侵攻があった)
http://www.pchrgaza.org/images/2004/zayton/zayton_e.htm

▼Rafa Today(ラファに住む学生のサイト)
http://www.rafahtoday.org/index.htm
▽(ショッキングな写真から始まります)
http://www.rafahtoday.org/news/todaymain.htm

**************************************************
特定非営利活動法人 パレスチナ子どものキャンペーン
Campaign for the Children of Palestine(CCP)
〒171-0031 東京都豊島区目白3-4-5 アビタメジロ304
Tel:03-3953-1393   Fax:03-3953-1394
Email: ccp@bd.mbn.or.jp
HP:http://www32.ocn.ne.jp/~ccp/
**************************************************
大河内秀人 Hidehito Okochi<hit@juko-in.or.jp
Tel.03-3651-3175,Fax.03-3654-2886,
H.P.090-3213-4575
**************************************************


4月21日

イラクでのNGO活動に関するJVCの見解

 私がはじめて関わった(市民型)NGOはJVCでした。それまでは教団関係の団体で、難民支援をおこなっていましたが、それは80年前後、マスコミこぞってのインドシナ難民キャンペーンにのっかったものでした。つまり、ベトナムから退散した米国が、社会主義陣営となったインドシナ3国を世界経済から孤立させ、引き続き内戦状況を画策しつつ難民を“引っ張り出して”いる現実もあったのに、日本政府やマスコミの大宣伝を真に受けて、単に「かわいそうな難民」にだけ眼が向いていました。
 しかし、86年、ユニセフのスタッフに声を掛けられたのをきっかけに、国内の状況を知りたくなり、当時現地で活動していたほとんど唯一のNGOだったJVCの門を叩きました。それまでは、今考えれば不思議なくらい、カンボジア国内について何も考えませんでした。それくらい、私自身お上やメディアに毒されていたのです。

 はたして、実際に訪れたカンボジアでは、当然、難民より多くの人々が、ポル・ポト時代を含む破壊、なお続く内戦の恐怖と不安、国家も認められず経済封鎖同然の孤立無援の苦境の中で生き、コミュニティを基盤としてなんとか生活を成り立たせようと必死にもがき、地道な努力をしている人々に出会いました。その彼らに最も絶望を与えていたのは、自分たちの現実の境遇が外の世界にほとんど知られることなく、大国の一方的な都合で「悪玉」の側の一員として声も聞き届けられないということでした。そのとき私は、「出会ったものの責任」を痛感し、可能な限り多くの人々に知らせていこうと決心したことを今改めて思い起こします。

 大々的に報じられた難民の苦境に心を動かされ、戦場のさなかでもあるタイ・カンボジア国境の難民キャンプで支援を始めた者たちも、医療や食糧を提供した難民たちが、また武器を手にして出て行くことに疑問を感じたことが、JVCが国内に眼を向けるきっかけになりました。危険の中に飛び込み、立場は全く同じではありませんが、彼らの視点で考えることで、外部の人間だからこそ、彼らのためにできることもたくさんあります。否、そういうところこそ、政治的な背景を持たずに、人々の中に入っていけるNGOの意味があります。それは、アメリカにしても英仏などにしても、そのときの政策にしろ歴史にしろ、正の関係の国の人でも負の関係の国の人でも、それぞれに意味は違ってもNGOとして関わることは、大きな可能性を開いていきます。

 以下は、現在、私も理事として組織運営に関わったいるJVCの見解です。ご理解・ご参考いただければ幸です。

【イラクでのNGO活動に関するJVCの見解】

2004年4月21日
日本国際ボランティアセンター(JVC)

1.なぜNGOが紛争地域で人道支援を行うのか
 人道支援の原点は、国境を越えた人と人との繋がりや相互信頼を重視して、政府に頼るのではなく、一人ひとりの市民が苦しむ人々の呼びかけに「人間の責任」として応えようとすることにあります。
 NGO(非政府組織)が人道支援活動を行うのは、「政府組織とは異なる視点・立場で活動する組織」としての特性によって、たとえ国交のない国でも、政治や思想、宗教を超えて、中立性や公正性に配慮しながら、必要としている人びとに支援活動を行うことができるからです。破壊による物心両面での喪失によって社会秩序が混迷している時、政府による支援では、その政治的な背景によって、必要なところに支援が届かないことや援助の偏りによって治安の悪化や復興の遅延を招くことがあると経験上、理解されています。そのため、紛争地ではNGOの活動が重要であると国際的に認知されているのです。
 JVCは、NGOとして政治や思想に偏らず、世界から孤立し内戦が行われていた時期のカンボジア、ソマリア、またここ10年では、パレスチナ、アフガニスタンなどにおいて人道支援活動を行うと共に、現地の人々の声と彼らの目に映る“現実”を伝える努力を続けてきました。例えば、国際社会から孤立していた80年代のカンボジアで、NGOは国外に出てくる難民だけでなく、国内に留まらざるを得なかった避難民に対しても支援の手を差し伸べ、孤立するカンボジアの内情を伝えることで、その後の和平プロセスにも影響を与えてきました。当時、日本政府はカンボジアと国交を断絶し、公的支援も行っていませんでした。邦人保護の可能性もなく、カンボジアへの渡航すら難しい状況でした。そのような中、NGOだけが国内で人道支援活動を行ってきたのです。紛争によって混乱している国や地域ほど外部からの人道支援の必要性が高いにも関わらず、政府は国の政策に合致しない限り支援を行わないのが現実なのです。

2.イラクの現状とNGO
 今回のイラクの場合、米軍を中心とした占領統治の下で復興が行われていますが、遅々として進んでいません。それは、占領軍が激化する抵抗勢力の首謀者拘束や武力による制圧に力点を置くがために、復興・人道支援はおろか、治安の更なる悪化を招いているからです。イラク人による行政体制が未だ整わない事態の中で、外部からの人道支援の必要性は高まるばかりです。そのため、多くの国際NGOが、緊急ニーズに応えるためにスタッフを駐在させ、医療や給水などライフラインの復興や医療支援などを行っています。活動は、「イラクにおけるNGO調整委員会(NCCI)」というNGO連合体(2004年1月段階で112団体)の下で、治安を含む支援活動に必要な情報を定期的に交換しながら進められています。「紛争地域」と言っても激しい戦闘が行われている前線を除けば、なんとか日常生活を送ろうとする人々の暮らしがあり、そこに中立な立場を維持するNGOが人道支援を行いうる空間があります。住民との信頼関係を築くことで、NGOは刻々と変化する現場の必要性や治安状況を的確に把握しているのです。私たちJVCもNCCIと連絡を取る一方で、イラク人協力者を通した情報収集を図り、日々情勢分析を行いながら効果的な活動の方針を決めています。

3.人道支援に取り組むJVCの安全対策
 現場で活動するNGOは、想定される危険を回避するための対策を取り、自らの責任のもとで行動しています。JVCでは、過去の紛争地での活動経験、赤十字国際委員会、国連などのガイドラインを参考にして、現地で活動する際の行動を規定するガイドラインを作成しています。そして、イラクで活動するにあたり、JVCではスタッフの安全確保のため以下のような対策を取っています。
 まず、正確な情報収集に努めています。信頼できる現地の人々や、メディア、関係機関、外務省等から常に治安情報を得て、派遣の可否や入国のタイミング、移動方法などの判断を慎重に行っています。特に、NCCIの治安部会とは密接に連絡をとり、最新の治安情報の入手に努め、退避対策の検討も怠らないようにしています。攻撃や武力衝突が起きている地区や発生が懸念される地区へは行かず、危険性が高い場合は宿舎に待機します。
 また、複数の通信手段(携帯の衛星電話など)を確保し、定時連絡を通じて逐一現場と東京事務局とで所在や安否の確認を行っています。日々の活動予定も定時連絡の中で確認し、本部から適宜アドバイスしています。
 そして、活動を行うかどうかの最終判断を、本部と協議の上、決めています。現場の情報と判断を最大限尊重しつつも、あらゆる角度からの検討を踏まえた総合的判断が必要であると考えているからです。

4.現在のJVCの体制
 4月18日以降、JVCは現地駐在の日本人スタッフを隣国へ一時待避させています。これは治安が急速に悪化していることやNCCI参加の外国人スタッフの多くが待避を始めているという情勢をふまえ、現地に駐在していても効果的な活動を行えないと判断したためです。しかし、イラク国内ではファルージャへの米軍の攻撃による被災をはじめ、人道支援の必要性は以前にも増して高まっています。JVCとしては、引き続き、NCCIとの共同支援という形をとりながら、スタッフや関係者の安全に十分配慮しつつ、隣国ヨルダンからイラク支援を継続していく所存です。皆様のご理解とご支援をお願い申し上げます。

4月19日

現代の魔女狩り?

 私は、人質となった彼らに全く落ち度がないとは言い切りません。確かに、あの状況で限られた予定と、若い人の「思い」で、判断が甘かったことは確かでしょう。しかし、それでも彼らは賞賛されこそすれ、パンピーの有象無象に非難される筋合いはありません。政・官・産と民主主義を妨害する勢力が仕掛けその忠実な手先となったマスコミによる、異常なバッシングが最大の問題。「一般の人」の中に「素朴な」疑問をはじめ、彼らに対する「嫌悪感」があるとすれば、それはまさに、メディアがつくってきたものに他なりません。

 山岳遭難を出さずとも、人質事件はこれまでにいくつもあります。中南米やフィリピンなどで日本企業の社員や「実業家」などが誘拐された事件など、いくらでもあります。もちろん営利目的のものも多いのですが、それを含め、それらの人がなぜターゲットになったかということを考えると、日本の企業やODAのプロジェクトが、居住地や生活を奪ったり、一部の人を優遇して地域コミュニティを崩壊させたり(日本のダムや原発と似てますが)、という行動や政策に大いに問題がある場合が多いのですが、そのことが日本で大きく問題になることはほとんどありません。
 それが、本来、賞賛されるべき彼らの勇気、志をもって社会の不正に立ち向かい、世界中から弱いものいじめをされている人々を助け、代弁しようとしている人々を貶めようと言う策略。現地の人々を刺激して、テロを誘発し殲滅への支持を得ようという、ブッシュ=シャロン=小泉(このトリオは、真っ当な国際社会からは孤立するでしょう。)に対して、真実を伝えることで世界の抑止力に期待しようという、ファルージャ住民の願いを、日本の人々の耳に、心に届くことを遮断しようとする、(言うまでもなく企業や政府がそのスポンサーである)御用マスコミの腐った現実を見せ付けさせられた思いです。
 広告料が最大の収入源である彼らにしても、自分たちのストーリーとは違う「本当のこと」を書く「本当のジャーナリスト」を、今のうちに潰すことは、クライアントの利益とも合致することなのでしょう。

 救援費用を請求する内容は不詳ですが、その前提となる条件や論理がすべて政府側の主張の上に立っているのではないでしょうか。実際の犯人も特定されているわけでもなく、まだまだ多くがわかっていない中で、メディアは政府の発表を垂れ流し、市民団体は反日的だという宣伝をしているマスコミには悪意しか感じることができません。民主主義への非常に下品な攻撃です。

 そして彼らが「自己責任」を意識していないはずはありません。もちろん団体の決定として出かけた場合、その団体にも責任はありますが、私たちを含めて「ボランティア団体」であるNGOは、「自己責任」において活動するのは当然です。そしてそれが、ともすれば、事実を知らされない、知ろうとしない「一般世間」の感覚から大きくずれているということは、現実を伝えようと活動すればするほど痛感させられます。だからこそ政府や国連などには頼らず、自分たちの判断で行動します。

 私も、以前はJVCやシェア(国際保健協力市民の会)の一員として、当時は国連の承認も国交もないカンボジアを支援し、人員を派遣することで非難されました。しかし、政府の立場とは一線を画し、日本政府が「悪」と決めつけ、孤立させ事実上の経済制裁を課し、対立する(ポル・ポト派を含む)亡命政権側に支援をするために、ますます絶望の窮地に追いやられている人々の中に飛び込むことで、それぞれ政治的勢力の管理下にある人々と言えども、「市民」という立場で接することは可能であり、その人間的な付き合いの中で、和平への可能性を見出すことができました。難民キャンプにいる人は、「帰ったら殺される」と思っていましたし、国内にいる人たちも「彼らがいつ攻めてくるか」という不安と不信を抱いていた人たちに、双方を行き来することのできるNGOが間に入り、政治的な話し合いとは別の次元で、NGOだからこそ難民帰還後の社会の形成に大きな役割を果たしたのです。

 もちろん危険はあります。しかし私たちNGOはジャーナリストとは違って、事故や事件に巻き込まれることは活動や目的達成のマイナスになることを含めて、進む勇気よりも戻る勇気を優先します。しかしそれも時には難しい。私たちはパレスチナで常に危険度3とか4の場所で活動しています。そこでは日本の外務省の基準によって出されるものは、あまり当てにしていません。現地のコミュニティに根ざした情報網が最重要ですが、それと同時に政治状況や国際情勢を見極めながら判断します。小さいと言えども組織として、スタッフの安全を確保しなくてはなりません。現場のスタッフは、目の前に危険にさらされている子どもたちがいて、自分だけが安全な場所に退避するというのはつらいものです。危険度の高いところほど、スタッフもハイになって、イケイケになることも多いです。さらに現地の人々は異常が日常になっていたり、もともと危険に対する認識がズレていることもあります。そして外国人スタッフが退避していくことで、現地の人々の動揺につながるという思いもあります。私もこれまでカンボジアでもルワンダでもパレスチナでも、大喧嘩したり、嫌われ者になったり、泣き落としたり、騙したり、その都度「純粋な」スタッフたちと渡り合ってきました。こういう観点からは、今回の当事者・関係者は大いに反省すべきでしょう。

 そしてもう一つ、大きな失敗はやはり、人質解放のために(犯行グループとの取引において)自衛隊の撤退を日本政府に要求したことです。家族の立場であればしかたがないと思います。しかし、自分たちの政治的な主張のために人質を利用したと言われても否定できない面があります。やはり人質事件に関して、まず直接的な実行者である犯行グループに「返せ」というべきところ、日本政府への非難と要求が先行した(少なくとも世間ではそうとられた)ことが、アラブ・イスラムへの凝り固まった偏見をもつ評論家社会に、日本(政府)も問題はあるかもしれないが、それとは比べ物にならない悪者の言いなりになるなという思いを持たせたと感じます。
 なにしろ日本のマジョリティーは、アラブ・イスラムをクレージーな人々と信じています。北朝鮮とも重なります。それを助けようなんて輩は、やっぱりクレージー。3人がまた行きたいとか留まりたいと言ったことに対して、怒りを感じる人は、「迷惑をかけた」と同時に、「あんなメに遭ってまだ眼が覚めないのか」という、オウムか統一教会から抜け出せないかのような認識を持たれているのでしょう。

 そう思っていたら新聞で、彼らを「ビョーキ」扱いしているではありませんか。さらに囲い込んで、今度は日本政府の人質になってしまいました。私たちNGOも「同類」と思われています。現代の「魔女狩り」が始まるのでしょうか。


4月13日 私たちはイラクに何をしているか
 アメリカ軍は、イスラエルがガザやジェニンやナブルスで行っているのと同じことをイラクで行っています。「対テロ戦争」という名目で、多数の女性や子どもを含む大虐殺を行っています。彼ら彼女らがアメリカに対して、世界の人々に対して何をしたというのでしょう? どんな具体的な脅威を与えているのでしょうか?
 イスラエル同様、これらの“operation”は、軍事産業と建設産業を喜ばせ、そのコミッションに群がる政治家を喜ばせ、攻撃される側の社会では過激派・武闘派への共感を育て、絶望感無力感と憎悪がテロの拡大をもたらすということは織り込み済みです。

 昨日、劣化ウランの被害を調査しているドラコビッチ博士の報告会に参加しましたが、数ヶ月滞在したアメリカ兵が被曝していることが証明されています。彼らの健康被害は深刻で、未来世代にわたって命を蝕んで行くことが必至です。もちろんそれ以上に、というより比較しようのない被害が、現地にもたらされていることは明らかです。

 このような「戦争」に加担していることを、私たちはしっかりと理解すべきです。

 昨日の報告会の冒頭で、劣化ウラン問題に取り組んでいた今井さんのお母様のお話を目の前で聴き、一層の思いを深めております。
 私たちは、人質解放に向けた「世界の市民と現地の人々とのやりとり」を通じて、これまで権力・メディアによって意識的に隠されてきた、人々の思いとコミュニケーションの可能性に希望を持ち始めた矢先、それを真っ向からぶっ潰すような展開を、アメリカにさらに「依頼」するような日本政府の対応は、到底容認することはできません。
 先月、江戸川NGO大学のとき、「李恩恵さん(田口八重子さん)の名前が出たとき、この国は自国民の命を守らない」と怖くなったという、辛叔玉さんのことばを思い出しました。拉致被害者同様、政策実現の道具として利用しようとしか考えない政治家を選んでいる私たち自身に悲しくなります。

 昨日も司会をつとめられていたきくちゆみさんから先ほど届いたメールを以下に転送させていただきます。今だからこそ、一つ一つしっかりと受け止めて行きたいと思います。

/////////// 以下転送 ////////////

きくちゆみです。ご迷惑な方はすぐに削除してください。ひとりにでも届け
ばと、複数のMLへ送っています。許してください。3人が無事もどるまで。

*ファルージャ大虐殺:子どもたちの写真(残酷ですので見たくない人は
パスしてください。でもこれが「人道復興支援」をしている日本が支えている
米軍がしていることです)
http://english.aljazeera.net/NR/exeres/8CB7C17E-F69E-48A2-8034-DEA425192815.htm

*ファルージャ現地レポート
http://www.geocities.jp/riverbendblog/
バグダッド在住のリバーベンド(複数の女性)によるブログ(邦訳)

*バグダットからの報告
http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/places/iraq0404.html
「地獄の扉を開く:バグダッドからの報告」ラウール・マハジャン

 今しがた、アメリカからファルージャで病院が爆撃された、との情報を得ました。サンフランシスコの独立ラジオステーションKPFKからの情報。600人以上の市民を殺して、2000人を血まみれにして治療が追いつかない状態にして、さらに病院や救急車を攻撃する米軍。イラク市民を大虐殺する米兵を運んでいる日本の自衛隊(航空自衛隊)。心あるマスコミの方、これを報道してください。
 どうしてこれが人道支援といえるのでしょうか。無理です、イラクの人は自衛隊がCPAの一員で米軍を支援していることを知っています。誰も人道支援(もちょっとはしている、で、そこばかり大きく報道される)が主目的とは思っていません。今は一時撤退のジェスチャーだけでも見せるべきではないのでしょうか。「撤退を検討している」と、小泉首相は言うべきです。そして、昨日チェイニーさんにはせめて「戦闘を一時中止するように」と申し入れるべきでした。

 確かに川口さんも小泉さんも、ひどいですが、政治家の声明文は官僚が(内閣府や外務省)が書いているはずです。政治家はそれを読むだけですから。危機管理能力も人として最低の思いやりや想像力もないんですね。ああいった文章を渡されてあのまま読む、というのは人間として悲しいです。

今の私の気持ちを代弁してくれているコラムを送ります。(きのうも送りましたね)
 
「イラク日本人人質事件を通して見えたことがある。日本の政府は国民の命を守らない、ということだ。
人命よりも国際的面目、はっきり言えば、米政府にどう思われるか、ということの方が重要なのだ。 」

全文はこちらから
沖縄タイムス朝刊コラム「大弦小弦」(4月12日付)
http://www.okinawatimes.co.jp/col/20040412m.html

(以下略)




4月11日
人質解放の報道のおかしさと「真の外交」を考える

11日朝、人質が解放されるというニュースが流れ、それに関し、日本政府が、当事者や宗教指導者に働きかけや交渉を行なったといわれていることにうのは本当なのでしょうか? そしてそれが解放に向かわせているとも言う論調があります。

平和運動やNGOの中では、彼らが占領軍とは相容れないボランティアであるというビラを大量に配ったり、現地の様々な人々へ理解と協力を懸命に呼びかけていました。現地のカウンターパート組織や諸外国のNGOもかなり協力しています。

パレスチナという限られた範囲ですが、アラブ世界と長年付き合ってきた感覚も含め、政府ではなく、市民の声が通じたのではないかと思うのです。

日本の報道を見ていると、結局は「撤退しない」と毅然とした態度を取った小泉首相のお手柄にすりかえられ、さらには邦人救出を可能にするよう、自衛隊のあり方を再考すべきということまで乗っかってます。

なにか、すべてが「一つの方向」に向かって行くように仕向けられているのでしょうか。

私の周囲からも、「あんなヤツら、テメエで好き勝手に言ってんだからいいんだよ」という声が聞こえてきます。なんで自衛隊や日本の政策があの連中に振り回されなくちゃならないんだ、という彼らは、完全に小泉の信者になっています。今回はそれをさらに広め深めるためにメディアが大きく貢献したようです。

とくに感じるのは、外交や交渉は、政府の専権事項だという考えのワクから出られないマスコミの頭の堅さです。それが、「市民の力」を過小評価しているのではないでしょうか。、、、、と言いつつ、ちょっと不安になったのは、もし、市民側が話をつけたということになったら、NGOはやっぱりテロリストの側だった、、、ヘタをするとグルじゃないかというような持ってきかたをされちゃうのかなっていうのは、パレスチナ支援で散々揶揄されてきた者の被害妄想かしら?

気を取り直して、
やはり私は、彼らが無事解放されたとしたら、それは、国家と国家の関係ではなく、政府や軍隊の発想ではなく、日本とイラクの市民同士の信頼と連帯がもたらしたものと思います。

そこで思い起こすのが、2人の外交官の犠牲です。彼らは、個人的にはどんな思想信条や理想をもっていようと、国家の政策を実現するために動いていました。イラク国民のための人道支援などと口では言っても、アメリカの忠実な番頭として、石油と軍事の利権がかかっている「国益」を最優先にしたミッションだったのです。米軍の誤爆?説も根強く残っていますが、いずれにしろこのような立場の人々は、軍隊でなければ守れないのです。もちろん、彼らを死の出張に赴かせた「国」の主権者たる国民の責任を、私も心から感じています。

このことからも、NGOの意義というものを、あらためて世に訴えたいと思っています。私が役員を務める「パレスチナ子どものキャンペーン」も、「JVC」も、国と経団連が音頭をとってNGOを各地へ送り込むという、日本NGO「プラットホーム」には参加していないのはこういうことなのです。
別に参加団体を毛嫌いしていたり、国とのコラボレーションを拒絶するわけではありません。(そう誤解されていることもあるようです)どのような国であるか、どんな理念と仕組みをもっているかが問題なのです。国益を追求してはいけないとは言いませんが、双方の市民にとって本当に良いことを実施できるのかという点において、現段階では一線を画すものです。

真の外交(問題解決)、真の国際協力は、面子を重視し、覇権・利権を目的にする政府と政府の駆け引きではなく、命を肌で感じ、自由・人権・平和を民主的な方法で築こうとする市民が主役になるべきであり、その組織がいまのところNGOです。私たちは国家もその延長線上に築いていきたいと思います。

長くなってしまいましたが、今回の事件を通じて感じたことなどを書かせていただきました。そのうちもう少し整理していきたいと思います。

イラク人質事件に関する
パレスチナ子どものキャンペーンの声明


 すでに解放の方向で事態が進展しているようですが、イラクで人道的な活動を続けてきた日本人ボランティア等が、武装集団の人質となっている事態に対する、「パレスチナ子どものキャンペーン」の声明をお送りいたします。
 
 解放の条件とされる「自衛隊のイラクからの撤退」に関しては、そもそも当初より反対の立場をとっておりましたので、ここでは説明は控え、現在の状況と政府の判断及び今後の日本のことについて、私なりの意見を述べます。
 まず、大前提として、犯行集団に対し人質の解放を求めます。そして、かれらが本当にイラク人の安全と自立を求めるなら、この犯行が逆効果になることは間違いありません。小泉政権が苦渋の選択を迫られていることはないと私は考えます。もし自衛隊を撤退させず、万が一、人質が犠牲になったとしたら、彼らの残虐性がますます強調され、日本人の憎悪を煽り、占領軍に攻撃の口実を与えることになることは目に見えています。
 よって、私たちはまず、犯行グループに対して人質の解放を求めて、今、必死のアプローチを試みているピースボートをはじめ、現地に関わる日本及び世界のNGОなどの努力を支持し、その力になっていきたいと思っています。
 今回の件で、「対テロ戦争」のトリックと、本当の対立軸が鮮明になったと感じており、そのことは追ってコメントさせていただきますが、取り急ぎ、以下の声明を発表し、お送りいたします。

◆イラクにおける人質の無事解放を求める声明

私たちは、中東地域の平和を願い、アラブの人々との協力と信頼に根ざした活動を続けてきた者として、人質となっている日本人3名が無事解放されることを心から希求し、関係各位に要請します。

イラクの人々の真の平和と自立を願い、武力によらない再建を支援する人道的な活動を続けてきた人たちに恐怖と危害を与えることは、不当な占領軍による支配からイラク人を解放し、イラク人による民主的な国家を実現することを一層困難にします。誘拐犯には人質3名を即刻解放することを要求します。そのために、イラク、日本、そして世界中の人たちに、人間同士の協力と信頼そして一人の命を利権や覇権よりも優先する、イラク及び世界の人々の理解と連帯を呼びかけます。

そもそも正当性もなく、結果としてもイラクの人々の命と国土に取り返しのつかない災禍を生み、それを拡大し続けている米英軍によるイラク侵略に反対します。そして、日本政府には占領に協力することになる自衛隊のイラク派遣を即刻中止してイラクから撤退させることを要求します。

これは「テロへの屈服」を意味するのではなく、テロ行為を無意味化するためです。私たちはパレスチナの占領がパレスチナ人に苦難を与えているだけでなく、イスラエル社会を傷つけ、地域全体の不安定を招いてきたことを見てきました。同じ過ちをイラクで繰り返し、日本がそれに加わることを恐れています。

イラクの人々の平和と繁栄に資する目的であるならば、そのコストとプロセス、そして周囲と未来へ与えたインパクトを含めた結果について真摯に検証し、今人質となっている方を含めた、市民による人道支援を十分に参考として、日本政府としての取るべき道を再考して下さい。

4月11日

パレスチナ子どものキャンペーン
http://www32.ocn.ne.jp/~ccp/

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As an organization working for peace of the Middle East on the faith of partnership with Arab people, we genuinely hope the immediate release of three Japanese taken hostages in Iraq.

It is not tolerable to terrorize and harm the people who are conducting humanitarian activities to help rebuilding the country without military power, and with their wish after the true peace and independence of Iraqi people. Such acts just ruin the effort to liberate Iraq from the unjustified military occupation and to build the democratic Iraq. We strongly ask the hostage taker to set the abductees free immediately. We also appeal the solidarity of Japanese, Iraqi and international society for the value of human life and reliance rather than power and profit.

We oppose the invasion and occupation of Iraq by the United States and coalition forces, which was started with doubtful explanation, and has caused and also extended disastrous effects on the land and people's life. Furthermore,
we ask Japanese Government to withdraw its Self Defense Force troops from the country soon. It is not for surrender to the terrorism, but for bringing the will and cause of the terrorists naught.

The military occupation of Palestine has just created violence, destruction and loss of lives in the region, and did not bring anyone's security. Never repeat the same mistake in Iraq. Japan must not be involved in this devastating occupation.

When we work for the peace and prosperity of Iraqi people, cost, process and impact on the people and their future should be carefully and seriously evaluated. Japanese Government should reconsider its way to support Iraq by referring the actions of citizens including the people who are now held hostages.

Campaign for the Children of Palestine, Japan.

3月27日
イスラエル政府による暗殺に抗議します

 3月22日、イスラエル政府は、シャロン首相の指示により、アハメド・ヤーシン師を空爆で殺害しました。このこと自体、許されない蛮行であるだけではなく、その目的はパレスチナの抵抗運動を先鋭化させる挑発行為であることは明らかです。事実、ヤーシン師がイスラエル軍の撤退を条件に停戦を表明していました。この暗殺が、停滞していた中東和平にとどめを刺し未曾有の衝突を招くのみならず、「国際テロ組織」を刺激し、世界に恐怖を撒き散らすことが懸念されます。

イスラエル政府に占領政策の転換を求め
破壊・人権侵害行為の中止を要求します


 また、イスラエルは「ガザ地区からの一方的撤退」を表明する一方で、いまこの瞬間にも、パレスチナ人地区であるガザ・西岸に、圧倒的な軍事力を現在も展開し、家屋破壊や空爆、封鎖や略奪など、人々の命や生活を奪い、壊滅的なダメージを与え続けています。これまでにも「分離壁」の建設をはじめ、入植地の拡大などによるパレスチナの分断は、人々の生活を困窮させるのみならず、自治政府の指導力を低下させ、「原理主義」勢力の台頭を促し、パレスチナ社会に「テロの温床」を育ててきました。
 テロと報復という情緒的な「暴力の連鎖」の表徴に目を取られ、問題を宗教対立にすり替えられていますが、西岸・ガザ地区の軍事占領や入植地の建設自体が、国連決議や国際法に違反したことであり、イスラエル・パレスチナ問題の本質です。

イスラエルだけでなく、その政権を支えるアメリカ
追随する小泉政権に対しても政策の転換を求めます


 「イスラエルには自分たちの安全を守る権利がある」ことは当然です。しかし、暗殺は決して正当化できるのもではありません。しかも新たな憎悪が問題の解決をますます遠ざけ、イスラエルの人々を脅かす結果になります。その不安感が、“テロ対策”に名を借りた政府の「やりたい放題」を許し、民主主義を後退させます。
 ブッシュ政権が声高に掲げる“テロとの戦い”の意図はここにあります。一方に「テロリスト」の烙印を押し、圧倒的な軍事力と経済力を持つ側に「大儀」を付与することで、暴力を正当化し反対意見を圧殺します。為政者にとって都合の良いこのスローガンは、不平等や差別を固定化し、格差を一層拡大し、少数支配を確固たるものにしていきます。イスラエルだけでなく、アチェやチェチェンをはじめ、世界中で強権による独立運動や抵抗運動への弾圧が強化されています。日本においても、様々な法改正をともない、平和運動や市民運動が制限されてきました。まさに日本の、世界の「イスラエル化」が進められています。

 いま私たちが得るべき教訓は、真の平和、信頼と協調の世界をつくるためには、面子や利権・覇権を重視し目的とする政府と政府の駆け引きではなく、平和への民主的な問題解決を求める市民が主役になっていかなくてはならないということです。私たちは、私たちの安全を守るのは武力や暴力ではなく民主主義、市民社会の実現であることに目覚めなくてはなりません。つくられ煽られた不安や恐怖、部分的な情報で吹き込まれる一方的なイメージで、「独裁」を許し暴力に加担していることに気づかなくてはなりません。
スペインの市民に続きましょう。


3月25日


卒業式で感じたこと

 彼岸明けの翌日、長男の小学校の卒業式に出席しました。校長先生に呼ばれて卒業証書を受ける前、壇上に上がってそれぞれ将来の夢やこれからの抱負を語ります。「中学に入っても勉強やスポーツをがんばる」「将来、役に立つ大人になりたい」など、さし当たっての中学生活や漠然とした子から、なかには科学者になってノーベル賞をとりたいなど、100人の卒業生一人ひとりの夢や抱負を聞いていて、ふと、これがパレスチナの子どもだったら、みんな何て言うのだろうという思いが過ぎりました。

 1991年に私がはじめてガザを訪ねたとき、イスラエル軍に父と兄を奪われ、破壊された家の跡に母と叔母と住む国連支給のテントの中で「将来は戦士になって“祖国”のために戦う」と言った10歳くらいの少年のことばは、子どもの夢以上に真実味を持っていました。おそらく今のパレスチナの子どもたちの何十パーセントかは、同じ答えを返すのかもしれません。しかし、オスロ合意による和平プロセスが、曲がりなりにも生きていた時期の子どもたちは、明らかに違った希望を持っていました。実際には封じ込めや入植地拡大などで、大人や青年たちの失望が絶望に変わりつつある中でも、明るい夢を持とうとする子どもたちの「いのちの力」に心を打たれました。

 そんなことを思い出しながら、あの13年前の少年はどうしているだろうかと考えた次の瞬間、野球チームで教えた子どもが夢を語る顔が目に入ったとき、この子たちの13年後を想像させられたとき、体が震えました。私たちは、この子たちを戦場へ送ろうとしているではないか。このまま行けば、必然的にこの100人のうちの何人、否、何十人かは、10年後に軍服を着ていても不思議はないんだという“実感”を覚えました。

 この子たちの多くは知らない、何も気づいていないかもしれない。彼らの前に掲げられる日の丸の意味を。歌わなかったことで「処分」された者がいることを知っている先生たちのこわばった(私にはそう聞こえた。本当に誇りを持って歌えるなら全然違う響きになるはずです)声と共に歌った『君が代』の本当の意味を。そしてこの国が、あの首相が、都知事が、君たちに何を要求しているのかを。私は知っている。でも、こんなことを考えている親は、この中にどれほどいるのだろうか。この同じ体育館で、一票を投じた意味を「今」かみ締めているのは私だけなのだろうか。

 “愛国心”の盛り込みが焦点となっている教育基本法改正に向ける超党派の議員による委員会で、野党議員までもが「お国のために命を投げ出」す日本人を育てよと言い出しているのがいまの私たちの国です。それを進めるために、憎悪を煽り、暴力を正当化するのは、シャロン政権もブッシュ政権もハマスも小泉政権も、まったく同じです。
 ところで、イラクで亡くなった米兵は、本当にお国のために命を捧げたのでしょうか。イラクがアメリカにとってどれほどの脅威だったのでしょうか。大量破壊兵器は見つからなかったのです。(小泉首相はそれがあるかないかなどは問題ではないとおっしゃいますが、、)結局はごく一部の人の、利益のためなのではないでしょうか。カウントもされず遺体も捨てられていると言われる、永住権欲しさで志願した多くのガイジン米軍兵を含め、名誉の戦死と思い込むことだけでよしとしろというのでしょうか。
 そういえば、9・11の真相すら究明されていません。ペンタゴンに堕ちたというボーイングの機体の写った事故現場の写真が公表されなかったり、WTCビルの崩れ方や衝突する前にビルから煙が出ていたりなど、様々な疑問に対する説明がされていません。米軍誤射説も根強い日本人外交官2人の事件も、真相ははっきりされません。大事なことは知らされず、恐怖と憎悪をもたらす情報が垂れ流されるなかで、一方的に悪と決めつけた相手を叩くことで、すべてが許されるのでしょうか。それを正義と言いつつ、若い人々を戦場に送り、軍需と復興で2度美味しい思いをしようという者を、私たちは持ち上げています。しかもその連中の懐に入るお金のもとは、みんなの税金であり、貯金であり、さらには未来世代に押し付ける借金なのです。だからこそ今更引き下がれない、どこまでもアメリカについていくしかないというのは、私には納得できません。

 校長先生が福沢諭吉の話を始めました。勉強をすることが、自分のためでもあり国のためでもあるという「学問のすすめ」のお話でした。私は、「天は人の上に人を造らず、人の下に人をを造らず」で知られるこの本が本来意図する、学ぶ、あるいは知るということの大切さが最も重要だと感じます。知ることにより、私たちは正しく考え、判断することができ、信頼や対話も可能になるのです。仏教では人間の根源的な業(ごう)として、「欲」と「怒り」と「無知」を三毒としますが、無知に押し込められ、欲と怒りの亡者とさせられているのが、今の世界であり、それを支配しているのが今のアメリカや日本の政策だと痛感します。

 このまま多くの人々が目覚めることなく流されていくと、次男が卒業する2年後には、「国のために命を捧げたい」という夢を聞かされることになるのではないかと考えた卒業式でした。


2月15日
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何かヘン! でも何が? 
〜江戸川NGO大学連続シンポジウム
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 ちょっと前だったら信じられないような言葉が乱れ飛ぶ中、日本も戦争をして当たりまえの国になりつつあります。多くの国民がどこまで自覚しているかわかりませんが、これは外的な要因ではなく、私たちの選択の結果、戦争に巻き込まれていっています。非戦論を訴えても、非現実的と一蹴されてしまうムードにみんなが流されています。
 戦争したいという作為に操られているのもまちがいないのですが、それと同時に、私たちの社会全体が、小泉首相やブッシュ大統領という「お調子者」を使って、戦争に突き進んでいるという感じもしています。かつての戦争もそうで、結局だれも責任を取らず、事実を見極めることもなく、真の反省もなく、与えられた平和と繁栄の中で無自覚な社会を続けていくのです。
 それを打破するには、本当の問題を明らかにし、自分自身のやりかたで立ち向かい、小さくとも着実な成果を積み上げていく他に道はありません。噂や思い込みに振り回されず、事実に立脚した合理的な取り組みを、勇気をもって実践していかなくてはなりません。

 専従職員もなく、小松川の小さな事務所を分け合うNGO仲間ですが、市民外交センターは踏みつけられる少数者の声を国連の場で政策レベルまで反映させており、大銀行や国家財政は破綻すると言っても10年前は見向きもされなかった未来バンクは貸し倒れもゼロですでに数億円の融資実績を持っています。
 私たちが集まると決まって、「日本から独立してやっていける江戸川区にしよう」「江戸川と荒川を国境にしよう」などと本気で盛り上がります。決して単なる戯言ではなく、私たちの意気込みとともに、日本の明日を変える議論をしていきたいと思いますので、ぜひお時間がありましたらお運び下さい。


 
     江戸川NGO大学 連続シンポジウム
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派兵、北朝鮮、失業・自殺・犯罪増加、年金、家計も大変!
何かヘン!・・・でも何が?
    〜流されない生き方を模索する〜
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 今の日本の状況を「何かヘンだ」と感じている人は少なくないと思います。強引に、あるいは知らぬ間に推し進められる「イラク派兵」、「行財政改革」、「教育基本法改正」などの重大な変化を、「納得できないけど仕方ない」と受け入れていませんか。
 この「市民を寄せつけない力」の正体とメカニズムを、江戸川NGO大学の上村英明、大河内秀人、田中優の3名がナビゲーターとなって解明し、社会を担う責任ある市民として、本来の生き方を取り返していく方法を考えていきます。
 ゲストも招いて、国会やテレビの作為的で無責任なやり取りとは違う、現場の視点と具体的な事実、そして真っ当な知性をもとにした議論をしていきたいと思います。

     
☆☆☆ 連続3回 金曜・夜7時から ☆☆☆

◆会場:タワーホール船堀

    都営新宿線「船堀」駅前 TEL 03(5676)2211
    《新宿から30分、神保町から20分、本八幡から10分》

■第1回 2月20日 会場・研修室
  「いま何が起こっているのか?」

   平和・環境・人権の視点で、経験を踏まえ、考えていること、見えてきたことを提起します。

■第2回 2月27日 303会議室
  「今のニッポンここがヘン!!」

   どこがどうおかしいのか、在日外国人の立場からも語ってもらいます。

■第3回 3月5日 研修室
  「足元から変えていく可能性」

   江戸川の視点で、地域から何か方向性が具体的にみつけられないかを探ります。

※第2回と第3回は内容が入替わる可能性あり。

▼ナビゲーター
上村英明(市民外交センター代表) 
  国連の人権会議で少数民族の代弁者として発言を続け、市民の力を国際社会の場で生かしている。
大河内秀人(江戸川子どもおんぶず共同代表)
  パレスチナでのNGO活動などを通じて、中東問題はじめ平和への取り組みや提言を行っている。
田中 優(未来バンク理事長)
  環境・エネルギー、そして金融・財政問題などの発言や著作で市民活動のリーダー的存在。
※第2回めは、全体司会を担当する足温ネット代表の奈良由貴が田中の代理もつとめます。

◆参加費:各回500円または3回1000円(カンパ大歓迎!)

◆主催・問合先 江戸川NGO大学事務局
        〒132-0033 江戸川区東小松川3−35−13
        ニックハイム船堀204号 小松川市民ファーム内
        TEL/FAX 03(3654)9188          
 Eメール:ngounv@edogawa.home.ne.jp

1月9日

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イラク戦争劣化ウラン情報 号外 2004年1月6日
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転載歓迎

アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局の吉田正弘です。

 国会の閉会中審議で、石破防衛庁長官がいまだにぬけぬけと「米国は劣化ウランを使っていない、少なくとも使ったとは言っていない」と嘘つき答弁を繰り返したことは記憶に新しいです。
 しかし、現実に存在するものを否定することは出来ません。公明党の神崎代表はサマワにほんのちょっぴり足を踏み入れただけで、しかも自分も防弾チョッキを身につけ護衛兵に囲まれながら「思ったほど危険じゃない」とうそぶき、「オランダ軍の指
揮官は単身、防弾チョッキも付けずに散髪に言っている」と見てきたようなウソを言いましたが、すぐにウソがばれて恥をかきました。
 同じ事が石破防衛庁長官にも起こりそうです。神崎代表に同行していた遠山清彦参院議員が「公明新聞」12月25日付けに「オランダ軍は劣化ウラン弾が使用された場所を特定し、立ち入り禁止にするなどの対策をすでに行っています。」と述べています。もちろん彼は小泉内閣の与党議員です。ほんのちょっと立ち寄っただけの与党公明党の人たちでさえこれだけのことを知っているのですから、事前に現地で調査をした政府の調査団は当然知っているのです。嘘をついたり、物事を隠したり、口先で人を騙すのはダメだと言うことがいつになったらわかるのでしょうか。
 ついでながら、遠山議員は「劣化ウラン弾の対処に当たっているオランダ軍隊員の健康状態への影響も見られないと指摘されています。」と続けているのですが、誰が指摘したのかはわかりません。神崎代表の話のような与太話でなければいいのですが。サマワ付近では劣化ウラン弾の使用を確認する報告はUMRCの調査、森住さんの報告、RISQなどいくつもあり確実です。問題はサマワは激戦が行われ大量に汚染されている危険性があることです。専門的な調査で汚染と人体への影響が至急確認されなければなりません。

公明新聞の記事のアドレス;
http://www.komei.or.jp/news/2003/12/25_02.htm

アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局
UMRCイラク・ウラン被害調査カンパキャンペーン事務局
吉田正弘
事務局ホームページ http://www.jca.apc.org/stopUSwar/


1月6日
イラン南東部地震の医療救援のお願い

昨年末に発生したイラン南東部の地震への救援活動への協力のお願いです。
中東問題や平和運動でお世話になっている仲間からの呼びかけ、そして港町診療所
は、シェア(国際保健協力市民の会)のメンバーの医師や在日支援グループも関わっ
ている社会的な活動としてもすばらしい医療機関です。
市民平和基金の鈴木瑛子さんからのメールを転載します。

各位

謹賀新年
新年早々イラン地震関係の情報が入っています。
これらは、明治大学の山岸智子先生からのものです。

ーーー以下を要約すると
(1)はーイランに医療救援に向かう杉浦先生の件、 
     ノーベル平和賞のシリンさんへの支援金送付、 
この件はまだ口座ができていないので、支援御希望の方は、とりあえず、
「市民平和基金」の郵便振り替え;00100-4-722213に
「イラン地震杉浦先生、またはイラン地震シリンさん」と書いて送金してください。
「イラン地震」のみの場合は折半します。担当の鈴木が米ドルに変えて杉浦先生へ
またはイランへ送金します。また領収書が必要な方は通信欄に御記入ください。

(2)はーイラン留学生の医薬品支援です。
 どうかお知り合いの医療関係者にお問い合わせください。

○この新年、日本は穏やかな幕開けを迎える事ができました。
しかし、世界中がそうだとは、決して言えません。
日本も地震国です。ある面、地震に対応しようとする試みが、
この国のインフラストラクチャーを創ってきたと言えるでしょう。
しかし、中身はどうでしょう。
支援の在り方に、その国の文化、市民社会の成熟度、
つまり社会が反映されていると思われます。
皆様の御協力をお願い申し上げます。


(1)
池上陽子
Behrooz Asgari
(有)おひさまハウス

先日、イラン地震救援について、イランの現地募金先をお知らせ
しましたが、このたび、横浜で港湾労働者や外国人の診療に
あたっている「港町診療所」のペルシャ語を話せるお医者様
が抗生物質などをもってイランへ行かれることになりました。
「おひさまワールド」のペルシャ語コーナーで以前執筆に
ご協力いただいていた杉浦先生です。1月12日出発予定ですが、
寄付の集金が遅れた場合、1週間程度遅くなります。
現在、イラン政府の関係機関に掛け合って、現地に直接入れる
よう手配中です(交通規制が敷かれていますので)。

港町診療所は互助会システムで、ほとんどただ同然で貧しい
労働者や外国人のお世話をしているので、医薬品購入資金が
ありません。そこで、不景気な折に恐縮なのですがみなさまの
お力をお借りしたいと思いメールしております。

年末のため、まだ振込み口座の準備ができていませんが、
年末年始でご家族、ご親戚にお会いになると思いますので、
どうかこのことをみなさんにお話ください。
来週には口座が準備できると思います。それまで、身近な
方々から寄付を集めておいていただけると助かります。

なお、今回募金をいただいた分は、すべて医薬品の購入にあて
ますので、現金での支援を希望の方は、ノーベル平和賞受賞者の
Shilinさんへ直接送るか、杉浦先生あてに、100米ドル札でお送り
ください。
Account Owner: Shirin Ebadi
Bank Saderat Iran, Asad Abadi st., Kalantari sq.
Branch code: 1238
Account Number: 8080

東京三菱銀行から米ドルで送金するのが一番便利です。

杉浦先生と一緒にイランへ行きたい方、(少なくとも英語が
できないとむしろお邪魔になりますのでご遠慮ください)
すぐにイラン大使館でビザの手配をしますのでお申し出ください。
飛行機は、イラン航空の直行便が月曜日発で、往復8万円
程度です。寒いところで力仕事や医療補助ができる方歓迎
です。主に救援物資を配ったり、先生のお手伝いです。

なお、横浜・市が尾のおひさまハウスに募金箱を設置します。
お近くの方はそちらに入れに来ていただいても構いません。
新年は1月5日から営業いたします。
http://www.ohisama4103.co.jp

みなさまの暖かいご支援をお待ちしております。

(2)イラン南東部地震の医療救援のお願い

2003年12月26日にイラン南東部で発生した大規模地震による被害は、拡大す
る一方で、12月31日現在、既に埋葬された人が28000人、死者は5万になる
模様で、負傷者数万人という未曾有の被害報告が出ています。
現地からの報告によると、被災地一帯の病院だけでなく、首都テヘランの病院にも
次々に患者が運び込まれています。

そのような中で、12月27日、テヘラン医科大学附属「イマーム・ホメイニ病院」
の救急センター長カービアニ医師(Dr. Ahmad Kaaviani)から、私(アレズ、現在、
東京工業大学大学院博士課程留学中)の妹(エルハーム、現在大阪医科大学留学中)
のもとに、手術後に必要な抗生物質や点滴用のチューブ・セット、骨折患者の手術道
具と手術後のコルセット等(詳細はリスト参照)が不足しているという知らせが入り
ました。(救急センター長カービアニ医師は、妹がテヘラン医科大学附属に勤務して
いたときの上司でした)祖国での悲惨な状況に対して、私たちにできることは何かに
ついて妹と相談した結果、テヘラン医科大学附属「イマーム・ホメイニ病院」の救急
センター長から届いた情報を皆様に公開し、不足している医薬品等を提供していただ
ける方々とイマーム・ホメイニ病院との間を取り持つことだという結論に至りまし
た。

以下のリストにある医薬品を寄付していただける方々がいらっしゃいましたならば、
mail to: iran_bam2003@yahoo.co.jp [日本語可]にご連絡いただければ幸いです。

(なお、低価格でご提供いただける方もご一報いただければ幸いです。)

なお航空輸送費は在東京イラン大使館が負担し、通関等の業者は、こちらでご紹介い
たします。
(医薬品の量にもよりますが、通関手数料は数千円程度ですの、あわせてご寄付いた
だけると大変にありがたいです。)
医薬品は地震による負傷者が治療を受けているテヘラン医科大学「イマーム・ホメイ
ニ病院」救急センターに届けられるように私たちで、手配いたします。

★ここまでのプロセスをまとめると、以下のようになります。

1、医薬品ご提供に関する連絡が届く。
2、現地での必要数などを確認した上で(時々刻々と必要品が変化しますので、念の
ために確認をいたします)、通関業者の連絡先をご紹介する。
3、ご寄付いただく方が、直接に通関業者に連絡の上、医薬品を発送する。
4、通関業者に医薬品が届いたことが確認できた時点で、再度ご連絡をいただく。
5、イラン側でイマーム・ホメイニ病院へ運搬する人を、私たちが手配。
6、イマーム・ホメイニ病院に医薬品が到着したことを確認後、ご報告いたします。


●なお、私たちの力には限りがありますので、医薬品提供のお申し出は、1月12日
で締め切らせていただくことにしたいと思います。

★必要な薬品名12月30日現在(現地の情報に基づき随時更新いたします)
(更新の情報を大阪外国語大学ペルシア語専攻のホームページでご確認ください。
<http://www.osaka-gaidai.ac.jp/~mes/persian/JISHIN.HTML>)
 点滴用のチューブ・セット、骨折患者の手術道具と手術後のコルセット等に加え、
薬品は
1.Amp Clindamycin(ダラシンS注射液600mg) 
2.Amp Hydrocoristone(水溶性ハイドロコートン500mg) 
3.Amp Gamma Globulin 
4.AmpTetanus Toxoid 
5.Amp tetanobulin 
6.Amp Atropine(硫酸アトロピン注射液) 
7.Amp Adrenaline(ボスミン注) 
8.Amp Ceftriaxone(ロセフィン静注用1g) 
9.Amp Metronidazole 
10.Amp Cefazolin Sodium(セファメジンα注射用) 
11.Amp Haloperidol(セレネース注) 
12. CapCefixime (セフゾンカプセル100mg)(括弧内は日本での名称例)

★最新情報:緊急支援活動の専門家である大阪大学大学院人間科学研究科の中村安秀
教授より医薬品送付に関して次のようなコメントをいただきました。
「医薬品は、抗生剤、破傷風トキソイド、手術用医薬品など適切なものだと思いまし
た。初期は外傷が中心ですが、すぐに肺炎などの感染症対策が重要になり、そのう
ち、軽度の睡眠剤などのメンタルケアの薬が足りなくなります。(これは、阪神淡路
大震災のときもそうでした)」

◆テヘラン医科大学附属イマーム・ホメイニ病院
首都テヘランにある病院で、最大級の病院でベット数1000台あまり。
ヘリポートがあるために、緊急の患者はすべてこちらに運び込まれている。
地震発生から48時間の情報によると、テヘラン大学の3つの付属病院だけで、運ば
れた患者数は、イマーム・ホメイニ病院225名、イブンシーナ病院136名、シャ
リアティ病院110名となっています。

●この呼びかけに賛同し、医薬品をすでに提供してくださった機関
・大阪医科大学一般・消化器外科教室のグループ。
 1医薬品の第1便をイラン航空にて発送しました。(2003-12-29)
・日本国内の複数の大学や病院がこの呼びかけに応じて医薬品提供の用意をしている
と連絡がありました。(2003-12-30)

●呼びかけ人
アレズ・ファクレジャハニ(東京工業大学博士課程)、
エルハーム・ファクレジャハニ(大阪医科大学博士課程)

●賛同者
板垣雄三(東京大学名誉教授)、臼杵陽(国立民族博物館)、大野元裕(中東調査
会)、黒木英充(東京外国語大学)、酒井啓子(アジア経済研究所)、桜井啓子(学
習院女子大学)、高橋和夫(放送大学)、谷川允彦(大阪医科大学)、竹原新(大阪
外国語大学)、Zahra Taheri(東京外国語大学)、柘植元一(東京藝術大学)、長沢
栄治(東京大学)、野元晋(慶應義塾大学)、橋爪大三郎(東京工業大学)、羽田正
(東京大学)、森本一夫(北海道大学)、山岸智子(明治大学)

★この件についての賛同者も募っております。賛同してくださる方は、ご連絡くださ
い。よろしくお願いいたします。
mailto:iran_bam2003@yahoo.co.jp [日本語可]
・このメールを自由に転載・再配布できます。
但し、誤解のないように一部の取り出したり改変するのをお止めいただきたい。
メーリング・リストや掲示板への再配布も歓迎です。