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Article For Peace

アメリカの教室に侵入した軍国主義 生徒を戦場に追い立てる
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 2003年5月1日、ブッシュ大統領のイラク戦争終結宣言後も、攻撃、爆発、銃撃で兵士や一般の人々が死んだというニュースを聞かない日はありません。イラクの人々の犠牲の大きさは言うまでもありませんが、米軍の死者、負傷者も増加を続け、3月3日現在でそれぞれ1495人、11220人となりました(米国防省発表の数字)。それぞれ、その91%、95%以上が戦後の犠牲者です。戦死者に対する負傷者の比も、これまでの戦争の戦死者1人に対し3人から5人という数字に比べると約8人と、非常に高くなっています。
 米陸軍が3月3日に発表したところでは、2月の新兵補充は目標を29%下回り、陸軍は志願に対する特別報奨金の増額、徴兵勧誘員の増員、親や「影響力をもつ人」(教師のことでしょうか?)への働きかけなど対策を練っているといいます。軍自ら「戦地に行く可能性が高いから志願を敬遠する者もいる」と認めています。すでに2003年末の時点で、米軍の新聞『星条旗』は30%以上の兵士が自分たちの「士気が低い」と感じていると報告しており、新聞報道でもこれまでの戦争以上の大量の戦線離脱、自殺者が出ていると報告されています。2004年末に米陸軍は、兵士の6人に1人は何らかの精神疾患の症状を呈していると発表しました。
 イラクに派遣されている兵士のうち予備役、州兵の比率も40%と過去に例のないほど高くなっています。ベトナム戦争で200万の兵士のうち州兵は9千人でした。しかし、この予備役も募集難で、召集に応じない予備役兵が3割もいると報告されています。以下で報告されているアメリカの高校で起こっている事態には、このような背景があります。
 私たちも子どもたちに聞いてみたほうがよさそうです。2003年12月から、防衛庁は小中学生向け自衛隊宣伝ビデオを作り申し出のあった学校に無償で提供しています。2002年からの「総合的な学習の時間」にも協力し、装備の説明や隊員との懇談、実習など学習メニューを提供しています。まだ軍隊式号令が校庭から聞こえてくるなどということはないでしょうが。
(TUP/池田真里)

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どうして大学に行くの、使い捨ての兵士になれるのに。
あなたの子どもが学校で見ている「教育」番組を知っていますか?


テレサ・ホワイトハースト博士
2005年2月17日

カウンターパンチ

 昨日、新発見をした。娘のイーサや何百万人ものアメリカの子どもたちが見ている「教育的」テレビ番組チャンネル・ワン・ニュースが、このところ青少年の軍隊入隊勧誘に専念しているのだ。(訳注:チャンネル・ワン・ニュースは、アメリカの学校向けテレビ局で月曜から金曜まで毎日12分間のニュースを流す。全米1万2千の中学・高校の生徒8百万人が見ているという)

 「お母さん、ターゲットは黒人の子たちよ、それにヒスパニックの子たちも。毎日々々あんな軍の宣伝を見せられるのは我慢できない。『パワー・オブ・ワン』だとか何とか、友だち、たくさんひっかかってるのよ」(訳注:パワー・オブ・ワンは、チャネル・ワン・ニュースの社会参加啓発プログラムで、ボランティアの勧めなどに軍のPRや協力を奨励するニュースが混ぜてある。米陸軍の提供)。

 これはとくにイーサにとってはたまらないことだ。18歳、19歳、20歳の黒人の友だちがイラクへ送り出されているからだ。うち何人かは実戦の場に立たなくていい「整備」や「通信」や「配線」をすることになるだろうという約束のもとに。

 そう請けあってもらったからといって、いよいよとなったとき、その子たちが戦闘に加わらなくていいなんてことがあるとは思えない。現に娘の友だちの一人は、「微妙な場所」で銃撃された。だが、帰国してではなく国外で治療を受けている。イラクの戦闘に速やかに復帰させるため、である。ブッシュ氏の軍隊は能力があろうとなかろうと、ともかく兵士が必要なのだ。

 私は車を止めて聞いた。「ちょっと待って。『毎日々々あんな軍の宣伝を見せられる』ってどういう意味?」。
「『チャンネル・ワン・ニュース』っていう短い番組を毎朝ホームルームで見せられる」とイーサはうんざりしたように言った。「教育的ってことになってるのよ。ほら、今日のニュース、当面の問題に詳しくなるようにってね。だけど合間に陸軍や海兵隊の宣伝が入って、しかもそれがどんどん増えてきている」

 私は「一人も落ちこぼれを出さない教育」法のこと、そしてその美名の陰でブッシュと取り巻き連(それとホワイト・ハウスが25万ドル支払ったジャーナリスト、少なくとも1名)が、全米のだまされやすい親たちに向けて、たゆまず進めている邪悪な目的について考えた。(訳注:ジャーナリスト1名とは人気の黒人保守評論家アームストロング・ウィリアムズのことで、教育省から金を受け取って、テレビ、新聞で政策の宣伝をした)

 呼吸を整え、聞いた。「ホームルームで見るテレビで入隊させられていってるってこと?」。娘は頷いた。私はまた聞いた。「先生たちは何て言ってるの?あなたにこっそり自分は戦争反対だって言った、ヒッチェンズ(仮名)先生は? 何か批判的なこと言ってなかった?」

大学なんか行かなくっていい、軍隊へ行け

 「ううん、学校では先生も生徒も慣れっこになっていて、気にもとめてないんだと思う。たとえば、この前、社会科の授業に出ようとしていた時にね、予備役将校訓練部隊(ROTC)の教師がこんなことを言ってるのを聞いたの。『いいか、M-16ライフルはこうやって構えるんだ』。この頃学校の雰囲気は軍隊一色よ。だから誰も何にも異常だとは思わない。、戦争賛成でもブッシュ賛成でもない先生も少しはいるけどね、何も言わないの。軍隊反対ととられかねないことをうっかり言って厄介なことになるのを恐れているんじゃないかなあ」。

 新兵補充と来るべき徴兵制について書いた私の最近の記事の中でもふれたように、この2年間というもの、娘と私は娘に入隊を迫る徴兵官たちの時に卑劣なごり押しと闘ってきた。
 彼らが娘の身体的能力を買っているのではないことは確かだ。98ポンド(44キロ余)なのだから。だから、何かほかの理由があると思わざるをえないわけだ。言語能力の高さか、あるいは体格は貧弱でも使い捨てにできる若い兵隊が欲しいだけなのか。

 徴兵官が毎日カフェテリアに現れ、軍の「広報官」が教室を訪れ、進路指導室に大きな入隊勧誘ポスターが貼られている状況では、教師たち、進路担当相談員さえもが、「入隊、入隊、入隊」という絶え間ないささやきに影響されたとして、驚くにあたらない。イーサの学校の生徒たちはこう聞かされている――もちろん、大学も選択肢だ。だが、大学は「金がかかり」、「必ずしも就職できるとはかぎらない」。それにひきかえ軍は、「大学の学費も払ってくれる」し、「実際に申し分ない職歴を保証してくれる」。あ、そうそう、おまけに「もし今日入隊を申し込めば、いますぐ現金でたっぷり特別報奨金がもらえる」。

 軍に入隊することが、英雄的に国に尽くす唯一の名誉ある方法であると教えられる。当たり前だが、多くの生徒が英雄になりたい、いや貧困から抜け出したいと思っている。それで、生徒たちは列をなして次々と入隊していく。この学校で、大学の入学勧誘がくることはめったにない。前の学校でもそうだった。ところが、軍の徴兵官はつねにこそこそ立ち回り、父親のない少年たちとみっちり一緒に過ごし、資料を渡し、「適性テスト」を行い(「自分がほんとうは何に向いているか知るのにちょっと役立つから」と気軽に勧める)、海兵隊のバンパースティッカーを渡し、あるいはかっこいい制服姿をさらして歩くなどする。

 「何もかもよ」とイーサは続ける。「たとえば、体育館では前みたいに体操したり運動したりはしない。軍隊みたいに、「号令」かけながらするの、ランニングやジャンプして頭の上で手を叩いたり、腕立て伏せや懸垂するときに。1年生が大声で「いち! にい!」って言うように言われ、次に2年生が「さん! しい!」って答えることになっている。最後に全員で「号令!」って言わなければならない。ね、お母さん、ばかばかしい! 思い切り叫びながら、どうやって運動しろっていうのよ」

 また車を発進させながら、私はこの「軍国的風潮」についてしばし考えていた。この軍国的風潮は、これまでのアメリカの公教育の場にあった教育を尊重する風潮にとって替わりつつある。親たちも教師も、チャンネル・ワン・ニュースのことを、企業が自社商品を親の知らないところで直接子どもたちに売り込む手段にすぎないと言って、当初から批判してきた。でも今やこのチャンネル・ワン・ニュースが、まさか大学にかわる進路(より有利でより英雄的で楽しい)として、子どもたちに軍隊を売り込むなんてことまでしてるんじゃないでしょうね。まさか学校の「教育」テレビでこそこそ入隊勧誘して、私たち父母を出し抜こうっていうんじゃないでしょうね。それとも、そのつもりなのかしら。そんなのって、あり?
                     (翻訳:TUP/池田真里)

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テレサ・ホワイトハースト博士は臨床心理学者で作家。最近の本に非暴力の教育について述べた「子育てにおけるイエス・キリスト――家族を変える10の原則」がある。
原文は下記です。
Why Go to College, When You Can be Cannon Fodder? Do You Know
What Your Kids Are Watching on "Educational" TV at School?
By Dr. Teresa Whitehurst
http://www.counterpunch.org/whitehurst02172005.html

以上
2005年3月5日(土)
TUP速報473号 アメリカの教室で
 転載
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良心の呼びかけ

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 アメリカ政府をもっとも厳しく批判するのはアメリカ市民です。それぞれが社会のどこかで仕事をしながら、新しいアメリカを求めて不撓不屈の活動をつづけています。劇作家としても知られるハワード・ジンは歴史を研究する学者です。そして公民権運動とベトナム反戦運動における活動では、彼自身がアメリカの良心を歴史に記すことになりました。ジンの文章はやさしく語りかけるようでいて、力に満ちています。いまこそ市民は与えられた使命を果たさなければならない、とジンは訴える。それはまずジンからアメリカ市民への呼びかけですが、同時に私たちへの呼びかけにも聞こえます。私たちは自らに課せられた使命を、日本市民として、どのように果たしてゆくべきでしょうか。
                                   安濃一樹/ヤパーナ社会フォーラム
                                   http://japana.org/

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「怒りを胸に立ち上がれ」

 ハワード・ジン

 大統領選挙が終わったあと、私の友人はみんな、さまざまな感情を抱えているようでした。がっかりする人、怒りにふるえる人、不満でたまらない人、何もかも嫌になった人。(そのほかに簡単には説明できない複雑な感情を持った人もいたことでしょう。)
 いつもは「こんにちは」としか言葉を交わさない近所の人たちが、私を引き止めて話しかけてきました。口々にアメリカが危ないと興奮して訴えます。
 ずいぶん昔に、H・G・ウェルズの『宇宙戦争』というラジオの放送劇があったでしょう。強大な力をもつ怪物のような火星人が地球を征服するためにやって来るという物語です。ドラマを事実だと信じた人びとが全米でパニックを起こしたことで有名な、あの番組が再放送されたのかと思いました。
 でも、すぐに思い直しました。彼らは決してH・G・ウェルズを聴いていたわけじゃない、アメリカを占領した不気味で強力な怪物が本当にいて、全世界を支配しようとしている、と。
 ブッシュが大統領に再選されたのは確かです。投票や集計で不正があったにせよ、なかったにせよ、対立候補のジョン・ケリーはさっさと敗北を認めました。雑魚がワニに仲直りを申し出たのです。再選を果たしたブッシュは勝ち誇って、自分の政策が国民の支持を得たと公言しました。対立陣営だったはずの民主党は反対する兆しさえ見せません。
 これでは何のことはない。同じクラブの会員が、選挙で(10億ドル単位のお金をかけて)小競り合いを演じたあと、同じ酒場で一杯やっているようなものです。
 11月の半ばに、ビル・クリントン前大統領を記念する図書館ができました。あの開館式を思い出します。民主・共和の両党から駆けつけた議員や歴代の大統領がブッシュ現大統領と並んで、党派を超えて団結しようと謳(うた)いあげました。
──国民は、もう4年間、ブッシュを大統領として受け入れた。アメリカはひとつに結ばれた幸福な家族となった。さあ大いに喜び祝おうじゃないか──と肩を抱き合う。しかし、そんなお祝いの雰囲気から取り残された人びともいます。アメリカ市民は意見が一致しているわけではありません。
 次の事実を考えてみてください。ブッシュが獲得した票数は、投票総数の51%です。投票率はちょうど60%でしたから、ブッシュは有権者の31%の票を獲得したに過ぎません。同じように、ケリーの得票率は有権者のわずか28%です。棄権した40%の人びとは、票を入れるにふさわしい候補者がいなかったと言っているように思われます。投票した人たちにしても、同じ気持ちだったかもしれません。けれど、ともかく投票に行った。
 これが決定的な勝利といえるでしょうか? 人びとの意思が尊重されたといえるでしょうか?(40%を占めた棄権票が最高得票だったのですから、もしも私たちが本当に民主的だったら、棄権した人びとの意思が尊重されるでしょう。つまり、大統領などいらないということです。)

■燃え上がる市民運動

 大統領は、国民から「使命」を託されたと言い張るかもしれません。そうじゃないとはっきり言い返すことができるか。それは彼を選ばなかった私たちの活動にかかっています。
 確かに彼は対立候補よりも多くの票を獲得しましたが、ほとんどの有権者にとって、ケリーは本当に選びたい人物ではなかったでしょう。過去6ヶ月の世論調査によると、国民の過半数が戦争に強く反対しています。投票用紙には、自分たちの意見を代表する候補の名前が印刷されていませんでした。これでは過半数の有権者から選挙権を奪ったと同じことです。
 いま何をなすべきでしょうか。選挙の結果を見て、人びとは激しい感情に満たされています。怒りや失望。深い悲しみや挫折感。そこには燃え上がりやすい大量のエネルギーがたまっています。もしこれに火がつくと、選挙戦の喧噪に振りまわされていた人びとが再び立ち上がり、炎のような反戦運動を繰り広げる可能性があります。
 どうしても譲れないものをかけて選挙に参加した市民の熱いエネルギーをすっかり吸いとってしまう。選挙戦にはそういうところがあります。市民の思いは置き去りにされたまま、いくらかましというだけの候補者をホワイトハウスへ送り込むために、膨大な労力が浪費される。
 でも選挙が終わった今、もう遠慮はいりません。候補者が大切な争点をことごとくはぐらかしても、市民は黙ってついて行きました。よかれと思ってそうした市民があまりにも多かった。これからは、その必要はありません。
 私たちの大統領選挙は民主的とはいえない政治プロセスです。狭く閉ざされた選挙から解放されて、いまこそ選挙のキャンペーンではできなかったことに全力を傾けることができます。大きな声ではっきりと、アメリカがほんとうに変わるために何をすべきかを訴えることです。
 宗教だけでなく政治の上でも原理主義を唱えるキリスト教徒がブッシュを支持しています。国民の22%を占める(正確な数こそわかりませんが、少数派であるには違いない)彼らは、神の名の下に大量殺人を祝福し、帝国による征服を祈願する。
 私たちの活動が、このような人びとの怒りを買ったとしても、気にすることはありません。彼らは、聖書の教えをないがしろにする心ない人びとです。聖書は、隣人を愛しなさい、剣を打ち直して鍬にかえなさい、圧政にしいたげられた貧しい人びとに尽くしなさい、と戒めています。

■私たちが望むもの

 アメリカ市民のほとんどは戦争を望んでいません。私たちが求めるのは、生きていく上で大切なものです。健康でいられること。仕事を持つこと。教育を受けること。子供を育てること。そして、まともな住まいや汚染のない環境が必要です。10億ドルの原潜や40億ドルの空母のためにではなく、ほんとうに大切なことに、国家の富が使われることを求めています。
 政府がプロパガンダをまき散らし、その政府に従順なテレビやラジオや大新聞が、プロパガンダを何度も繰り返し報道する中で、もっとも人間らしい願いを私たちは見失ってしまうかもしれない。けれども、それは一時期のことにすぎません。何が起きているのかがわかるようになるにつれ、他者を思いやるという本能が自然と目覚めてゆきます。
 ベトナム戦争の時代に同じことが起こっています。当初、アメリカ市民の三分の二は、政府を信頼し戦争を支持していました。政府に迎合するメディアの報道を見る限りでは、疑いを持つ理由は何もなかったからです。しかし数年後には、アメリカがベトナムでしていることが知られるようになり、戦争が正体を現しはじめました。遺体袋に詰められた兵士が続々と送還され、ナパーム弾を浴びせられたベトナムの子どもたちの姿がテレビに映し出され、そして闇に葬らようとしていたソンミ村虐殺の真実がついに明るみに出ると、市民は反戦に転じました。
 イラクで何が起こっているか。政府はプロパガンダで国民を煙に巻こうとし、怖じ気づいたメディアは事実を報道しません。それでも、真実がだんだんと見えてきました。私たちが目にしたものは、自由と正義を信じてイラクに行った兵士が、戦争によって人間性を破壊された姿でした。私たちの兵士が、無力な捕虜に拷問を加え、負傷者を撃ち殺し、住宅もモスクも爆撃し、街から街を瓦礫(がれき)の山にかえ、家を捨てて逃げるイラク市民を荒野へと追いやる姿を目撃しました。目の前に突きつけられた光景に、私たちアメリカ市民のだれもが心を揺さぶられたことでしょう。
 こうして私が記事を書いている間にも、ファルージャがすさまじい爆撃を受け、街が跡形もなく破壊されようとしています。手足をなくした子供たちの写真が公開されるようになりました。片足をなくして簡易ベッドに寝かされた赤ちゃんもいます(しかし大新聞やテレビはまだ取り上げていない。なんと情けないことか)。
 歴史の中で、同じことが何度も繰り返されてきました。最新最強の兵器を持つ軍事大国が、敵対する弱小国の市民を力ずくでねじ伏せようと、破壊と虐殺の限りを尽くす。それはさらなる抵抗を招くだけです。
 アメリカはファルージャで勝利を収めることはできないでしょう。もとより勝てる見込みのない戦いでした。

■私たちは問いつづける

 アメリカは何もためらうことなく惨劇を繰り返しています。恐れ知らずの政府に対抗するためには、戦争に反対する市民もひるむことなく、さまざまな行動を起こさなければなりません。
 社会運動の歴史に、手本となる方法がいくつも記されています。デモ集会を開く(大統領就任式が行われる1月20日にワシントンで大きなデモがあります)。平和への祈りを捧げる。ピケを張る。市街を行進をする。建物を占拠する。市民として、政府に服従せず抵抗をつづける。そうして私たちはアメリカ市民の良心に訴えてゆくことでしょう。
 私たちは問いつづけます。私たちが生きるアメリカをどんな国にしたいのか。世界中から非難されるような国でいいのか。私たちには他国を侵略し爆撃する権利があるのか。独裁に苦しむ他国の市民を救うためだと言いながら、莫大な数の市民を殺害することができるのか(これまでにイラクで何万人が死んだのでしょう。3万? それとも10万?)。生き残っている人びとは私たちの戦車や戦闘機におびえている。他国を占領する権利が私たちにあるのか。その国の人びとが私たちに出て行ってほしいと思っているのは明らかなのに。
 選挙の結果からは、アメリカ市民のほんとうの姿を知ることはできません。ふたりの候補にはこれといった違いがなく、選挙で国民に与えられた選択の余地は、まるで投票記入所のしきりのように狭く限られていました。そのため人びとが抱く希望は歪められて、結局は何も期待せず、投げやりな気持ちで投票していった。

■世界を結ぶ人の絆(きずな)

 でも、私たちはひとりぼっちじゃありません。味方がたくさんいます。まず国内に、そして世界中にきっと(地球の全人口の96%はアメリカを除く世界に生きていることを忘れないように)。私たちは、この大仕事をひとりでする必要はありません。社会運動ではかならず力強い連帯が結ばれるものです。

 世界には変わらぬ現実が存在します。国家を支配する人びとの思惑がなんであれ、現実を変えることはできません。その現実がいま動き出しました。すでに「テロとの戦争」は悪夢となり、内部告発者が政権の秘密をあばき(CIAの高官が「帝国の傲慢」について述べた文書を公開して辞任しました)、兵士たちが任務に疑問を持ちはじめ、戦争にまつわる政治の腐敗(ハリバートン社とベクテル社との数十億ドルもの契約)が明らかになっていく。
 勝利に酔ったブッシュ政権は思い上がり、狂信的なタカ派の言いなりになっています。道を誤っているのに猛スピードで車を走らせるようなものですから、崖から落ちてしまうと思ったときには手遅れでしょう。ブレーキを踏んでも間に合いません。
 民主党の指導者たちがこの現実を理解せず、(共和党の赤と民主党の青に国民を二分する無意味な色分けなど止めにして)アメリカの街々で人びとの希望に耳を傾けようとしないなら、暴走するブッシュの後ろにぴったりとくっついて自分たちも車を走らせていることに気がつくでしょう。大惨事は目の前に迫っています。臆病で頼りない民主党は、民衆から打ち寄せる反乱の波を受けて、党を改革するでしょうか。それとも、平和と正義を真剣に求める新しい政治運動に(4年後か8年後かわからないにしても)道をゆずるのでしょうか。
 遅かれ早かれ、重大な変革が求められると私は考えています。国民は戦争に疲れ果てている。国家の莫大な富が浪費されるのを見るに耐えない。家族にとって必ず必要なものが満たされていない。
 人びとが求めているものは何でしょうか。なにも難しく考えることはありません。まず生活していくための要求があるでしょう。健康保険が受けられること。仕事を得ること。生活に十分な給料が保障されること。そして、心を満たしたいという要求があります。たとえば、人間としての尊厳が守られること。この地球に生きる人びとと、同じ人間として絆を感じていられること。
 ブッシュが国民から「使命」を与えられたと思いこんでいるのなら、私たちはアメリカ市民として、自らに課せられた使命を果たさなければなりません。

Howard Zinn, "Harness That Anger," The Progressive Magazine (January, 2005).

http://www.progressive.org/jan05/zinn0105.html
http://www.commondreams.org/views04/1202-32.htm

翻訳/荒井雅子・別処珠樹・安濃一樹
(初出:月刊『自然と人間』2005年2月号)
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続・「テロとの戦い」の欺瞞
日本ではほとんど報道されない
Nature誌に指摘された“横田めぐみさん・遺骨鑑定の信憑性”をめぐる議論


 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)から渡された横田めぐみさんの遺骨はニセモノという指摘と報道が、北朝鮮への憎悪をさらに掻き立て、経済制裁への世論の盛り上げに利用されています。しかし実は、日本政府が発表したその根拠と信憑性が大いに怪しいという指摘が、世界的に権威ある科学雑誌で取り上げられています。私の信頼するNGO仲間であり、国際経済や危機管理の専門家で経済制裁の問題を指摘し続けてきた民主党の首藤信彦議員も、衆議院の外務委員会でこの件で町村外務大臣に説明を求めていますが、Nature誌の論拠に比べてもまったく説得力がありません。
 「北朝鮮は悪いに決まっている」という前提が刷り込まれた国民が、メディアが流す政府の都合のいい情報だけを見せられて何も疑問を持たず、政府のめちゃくちゃな外交の暴走を許すとしたら、「何も知らされていない北朝鮮の人々」よりも質が低いと世界からは見られるでしょう。
 以下の記事や論理からみなさんで考えていただきたいと思います。

■オンライン記事
Nature Published online: 2 February 2005; | doi:10.1038/433445a

DNA is burning issue as Japan and Korea clash over kidnaps
David Cyranoski
http://www.nature.com/news/2005/050131/pf/433445a_pf.html

■記事の翻訳 (参考)
http://watch.blogtribe.org/category-5f5bc24294ffbce5fe44f7735e4d7191.html

■首藤議員の外務委員会での質問 抜粋
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000516220050223001.htm


第162国会 外務委員会
第1号 平成17年2月23日(水曜日)

○首藤委員 
 さて、この2プラス2でも問題となりますが、北朝鮮の問題ですね。今、北朝鮮との間では、本当に、北朝鮮側が核を持っている、まあそれは持っているだろうとは思っていますけれども、それを公式に言うとか、いわゆる六カ国協議を進ませないというようなことが言われまして、それが今度またがらっと変わってきて、向こうもしたたかにいろいろ操作しているんだと思うんです。
 ただ、日本の立場というのは非常に難しくて、ある意味で六カ国協議を進めるにおいて日本の立場というのは存在感が大きくて、日本の動きによってはそれが進まないというような現実がございます。
 特に、感情的にも非常に大きな対立があるわけですね。外交はもちろん感情を超えた冷たい冷たいものであると思いますけれども、最近の問題で特に我々をいら立たせているのは、拉致事件を解決する、真摯に対応すると言いながら、全然真摯じゃないじゃないか、うそばかり言っているじゃないか。写真もうそだったし、それから横田めぐみさんの遺骨と言われるものも、うそだった。
 こういうことで、我々国民もすごく怒っているし、私自身も怒っているし、こんないいかげんなことをやったらだめだ、こういうふうに思っているわけなんですが、一方、例えば写真に関しても、では、科学的に言うと、必ずしも、うそかどうかはわからないというような結果が出てくる。
 そして、最後に残った大きなテーマは、遺骨と称されるものの問題なんですね。
 これに関しては、三カ所に調査を依頼した。A、Bは結果が出ない、要するにわからない。それからCで、これは帝京大学の吉井富夫、帝京大学講師の方ですか、この方が、ミトコンドリアの分析から、これは要するに全然他人のですよということを言われて、それ見たことかと日本国じゅうがわっとみんな怒っているわけですよね。
 しかし、それに対して、何と、二月二十三日のネイチャー、ウエブで見ると二十二日に出ていますけれども、世界の中で最も権威のある科学雑誌の一つのネイチャーが、これは御存じのとおり、大臣も御存じのとおり、これはもう本当に権威がある雑誌で、アメリカのサイエンティフィックアメリカンとかイギリスのネイチャーというのは世界を代表するようなもので、特にDNA関係に関しては物すごくしつこくやっていて、御存じのとおり、すべての人類がアフリカから来たとか、そういうようなものはみんなこういうところへ載っているわけです。
 日本でも、我が国の南方熊楠なんという人は、無名の研究者がネイチャーに論文が一つ載ったということで世界から認められるようになって、やがて粘菌の研究者として大成していくわけです。
 そのネイチャーが、科学的に言うと、これはそんなこと全然言えないよという論文を、二月二十二日のウエブサイト、そして二十三日に論文を中に出しました。
 これは大変なことで、世界では事実上日本の言ったこと、外務省が言ったことを否定したわけですよ。私も全く専門家でないのでよくわからないんですが、何の根拠があって外務省は、これは遺骨が本人のものでない、しかも刑事的にでもない、裁判的にでもない、外交的に、この不透明な、不明確な、科学的に立証されていないものを、逆に言えば国際的には拒否されたものをぶつけてきたのか、そういうことなんですよ。
 私もこの吉井講師の本を拝見させていただきました。論文も拝見させていただいて、本当に立派な方で、いろいろな研究をされています。
 そして、その中において、また吉井さんは例えば遺骨調査団にも多数参加されまして、例えばカザフスタンへの遺骨調査とかやっておられるわけですけれども。そこでわかっていることは、私は、DNA鑑定というのは火葬場で焼いた骨ではなくて普通の骨であればすぐわかるのかと思ったら、遺骨調査団でも判明率がもうめちゃくちゃに低いわけですよね。
 普通、DNA鑑定は、ミトコンドリア分析も含めてそうですが、DNA鑑定、染色体の分析、それからミトコンドリアの分析、それからそれを一部クローン化してやる分析もあるけれども、ほとんどは生体細片細胞なんですよ。生体の細片あるいは生体微物といいますか、生物微物といいますか、どこかに生物の本当に微細な細胞があって、そこからミトコンドリアを取り出して、クローン化して、それを増幅していって、そしてこう評価するというわけなんですよ。
 そこで、吉井講師自身が、このDNA分析のいろいろな問題点をしっかりと把握されています。そして、その御著書の中で、これは科学的な分析ではあるけれども、社会でそれを認知するにはまた別の手続が要るということを書いてあるんですね。
 例えば、サンプルを取り上げた人の影響の検査、それから研究室の環境、それはそうですよね。それから、いわゆるアメリカで、私もちょっと発音はわかりませんが、フレイ原則といって、科学技術をもって裁判結果あるいは検察結果を出すときには、その結果で科学的な知識が本当に正しいのかどうかを明らかにする公聴会や、あるいはその実験室、あるいは実験に関係した人のことをしっかりと調べてやらないといけないというのが、いわゆる、うそ発見器のレベルからずっと進歩して今日にまで至っていると言われています。
 常にやはりこのDNA鑑定に関しては、コンタミネーションという、要するにどこかで間違った形で遺伝子が入ってくるという可能性はあるわけですけれども、では果たして、A、B、Cであって、Cしか確証できなかった、要するに三分の一しかなかったものを、そして国際的にもチェックせずに、そのサンプルを国際的な機関、例えばイギリスの有名な機関とかあるいはアメリカの機関とか、あるいは学会に調査を依頼するとか、そういうクロスチェックをせずに、それを北朝鮮が不誠実なことの証拠として突きつけるのは、外交としてはいかがなものですか。
 私は、北朝鮮の外交というのは本当にひどくて、でたらめで、本当にテロの事件でも腹立たしい思いを何度もしていますが、しかしそれだからといって、我が国の外交が同じレベルにいてはいけないんではないですか。
 北朝鮮の外交は瀬戸際外交と言われますよ。しかし、こんな不確実なことで北朝鮮に対してぽんと突き返して、そして国際的には二月にネイチャーで否定されるようなことがあって、それに対して、例えば日本でサイエンティフィックアメリカンに論文を寄稿するとか、そういうことをすることもない。そんなのだったら、これは日本の方が瀬戸際外交じゃないですか。どうしてこのような外交を日本の外交として、外務大臣、展開されているのか。日本の外交の信頼性をまさに国際社会で危うくさせているんではないでしょうか。いかがですか。
    〔大谷委員長代理退席、委員長着席〕
○町村国務大臣 御説明をいただいて感謝をいたします。私も、率直に言ってそう詳しいわけでもなく、全く素人でございますから、今委員のお話を大変注意深く聞かせていただきました。
 ネイチャー誌に何かそれらしいことが出ているということは私も承知をしておりましたが、まだその論文そのものを実は読んでおりませんので、そのネイチャー誌の論文が日本の鑑定結果を完全に否定したものなのかどうなのか、ちょっと私もまだ定かではないのでこれ以上のことは申し上げられませんが、私どもとしては、事実関係だけ申し上げますと、横田めぐみさんの遺骨であると提供されたものがあるわけでありますが、その中から、DNA鑑定の知見を有する専門家が、まず検出できる可能性のある骨片というものを十個選びました。慎重に選定をして、警察当局から国内の最高水準にある研究機関等に鑑定を嘱託したわけでございます。
 そのうち、帝京大学に鑑定を嘱託した骨片五つ、十のうち五つを帝京大学に渡した。そのうち四つから同じDNAが検出をされ、また他の一個からも別のDNAが検出をされた。しかし、そのいずれもが横田めぐみさんのDNAとは異なったという結果が警察の方から私どもの方に届いたわけであります。
 今のお話を聞いておりますと、さらにそれをまた別の機関に、クロスチェックというんでしょうか、した方がよりよかったのではないかという御意見も、私もそれを否定するものでもございませんが、しかし私どもとしては、警察が最も信頼するものとしての依頼をした帝京大学の結果ということなものですから、まあそれは正しいんであろうな、こう思いまして、直ちに先方に対する反論をしたということでございます。
 したがいまして、今からでも遅くないから第三国あるいは第三者機関にもう一度やったらどうかということなのかもしれませんが、それよりも何よりも、私どもとしては、まず北朝鮮側がこういう累次申し上げたような不誠実な対応というものを早く改めることが重要で、余りDNA論争にぐうっと入っていくと肝心の主張そのものがぼやけてしまうのではないか、そんなことも考えるものですから、あえてこれ以上、さらにこれをどこか外国の機関に委託をして、また再検査といいましょうか、再鑑定をしようという考えは、今のところ実はないわけでございます。
○首藤委員 外務大臣、今警察という話がございましたね。警察の科学鑑定も頼んだと。しかし、論文を精査していただければわかると思いますけれども、警察は、白骨化した遺体のDNA鑑定、さらに火葬された白骨のDNA鑑定に関しては、非常に否定的な論文を幾つも書いておられますね。ですから、警察自身が、果たしてこれは、サンプルを受け取ったとき、拒否されたんじゃないですか。
 ですから、私はなぜこういうことを聞いているのかというと、それは確かに不誠実だ、いかん、改めろと。しかし、不誠実だったという根拠を私たちは見せなきゃいけない、示さなきゃいけないんですよ。ですから、かつてのラングーン・テロのときには、その工作員も捕まえたり、白状させたり、いろいろなことをやりました。それから、大韓航空機事件でアンダマン海に飛行機が沈んだ、航空機が落とされたときは、実は非常にクエスチョンマークが多くて、今でも実はその事件は韓国でいろいろな問題になってきています。
 ですから、私たちが外交できちっと突きつけるには、やはり我々は確証を持たなきゃいけないのに、それでは余りにも私たちの足元が弱いんではないですか。これで私たちが非常に怒って、こんないいかげんなことをやっている国はもう許せぬということで怒って、それで経済制裁もあると言うわけですよ。
 国民の多くは、経済制裁というものがどんなに悲惨でどんなにひどい結果になり、どんなに深刻なものかというのはほとんど御存じないからそう言う。しかし、もしやって、その結果が何らかの形で、そのもととなった最初のデータがこれでしたということになったら、国際社会に対しても歴史に対しても、私たちが正しかった、だからこういうことになり、たくさんの人が最終的にはお亡くなりになったけれども、私たちがやったことは正しかったと言えないではないですか、外務大臣。
 ですから、ぜひ、今からでも遅くありませんから、そのサンプルを第三国に送るなり、あるいは、そのサンプルが本当に正しいのなら、日本の国内でももう一度クロスチェックをするなりしていただきたいと思うんですね。
 ともかく、その形で、経済制裁というのがありました。経済制裁というのは、それは私も、世の中で経済制裁反対家ということで有名になってしまいましたけれども、私は私の信念として、長年紛争地を見て、経済制裁ほどひどいものはない、本当に経済制裁ほどひどいものはないと思っています。しかし、それでも、国連の経済制裁を含めて、やることはあるでしょう。やる機会もあるでしょう。しかし、それには、先ほど言いましたように、絶対に我々は正しい、最後は神に向かって、いや私たちは正しかったと言えるだけの立場がないといけない、私はそういうふうに思います。
 それから第二点は、相手の見方を見ながらやっていくということですね。ですから、経済制裁に関しては政府も御検討中だと思いますけれども、一番軽いところ、相手の国の人々の生命財産に直結しないものから始めるわけですよ。一番最初から始めるのは、これはスポーツ交流の停止です。ですから、例えばソ連がアフガニスタンに軍事侵攻したときにモスクワ・オリンピックがとまるわけですよ。
 そこで、私が常におかしいな、おかしいなと思っているのは、例えば最初に貿易停止、送金停止、あるいは定期航路の停止という話が出て、一番軽いところである例えばワールドサッカーの予備戦、これに関しては何の論議もないんですね。しかし、世界的な歴史の経済制裁のテキストからいくと、当然のことながらスポーツ、それからいわゆる商品のボイコット、それからいわゆる貿易の停止、それから送金停止、こうなっていくわけですけれども。
 例えば、実際に平壌でワールドサッカーをやって、放映権なんかも含めれば、そしてそこへ多くのサポーターが行けば、それはもう何十億の世界となって、アサリの輸入とかカニの輸入とか、それから無煙炭の輸入とか、そういうレベルではないぐらいの大きな外貨が北朝鮮に入るはずなんですよね。
 ですから、それに対しては、例えば、経済制裁は今検討中と言っていますけれども、政府の検討項目の中にはワールドサッカーの予選の停止ということも考えておられるでしょうか。いかがでしょうか。
○町村国務大臣 これは、警察庁の方でちょっとつくられた資料を今事務方から受け取ったのでありますけれども、これは警察庁の見解として受けとめていただければと思います。外務省も別にこれは異存はないわけでございますけれども。
 横田めぐみさんの遺骨とされるものの一部から別人のDNAが検出されたとする鑑定結果について、本件のネイチャー誌から取材を受けた関係者にも事実関係を確認したところ、取材においては、焼かれた骨によるDNA鑑定の困難性について一般論を述べたものであって、鑑定結果が確定的でない旨や、あるいは汚染された可能性がある旨応答した事実はなかったという返事を受けているということだけちょっと申し添えさせていただきます。
 今委員から、スポーツについて、これも幅広い制裁の中で考えたらどうかという御提言でございました。今私ども、直ちに制裁ということではなくて、北朝鮮との交渉を引き続き続けるというポジションでございますから、直ちに今これこれの制裁措置をとるということを決めているわけではございません。いろいろなオプションがある。そのそれぞれについての可能性でありますとか影響、効果でありますとか、そういうことを今内部的には検討しているという段階であります。
 スポーツはどうかということで、確かに先般、もう既に埼玉スタジアムで行われた、今度六月八日に平壌で今度はアウエーの試合があるということでございます。これをとめたらどうか、あるいは不参加にしたらどうかという一つの御提案でございます。
 そういう考えはどうか、そういうことを検討しているかというお話でございますから、それは可能性として今から全部否定するつもりもございません。ただ、大変これは、率直に言って、国民的関心の強いワールドカップサッカーでございますから、これを今、政府として極めて否定的に考えている、不参加という方向で考えているということでは決してございません。むしろ、円滑にこれがどうやったら行えるかという方向で考えているのは事実でございます。
 ただ、委員御指摘のように、そんなこと言ったって、モスクワオリンピックのときはどうだったという御指摘も確かにあるわけでございます。
 しかし、あれは多分、私の記憶が正しければ、大部分の国の共同作業といいましょうか、共同の不参加という決定に日本も従ったということで、これは日本単独のいわば行為ということになりますので、今直ちにそれを中止の方向で、不参加の方向で検討しているという状況にはないということは申し上げざるを得ないところでございます。
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